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ゲーム業界人の感覚で、勝手に補足しときますと。

率直にいって、欲しい結果を求めてアンケートを取って分析しているような印象も受けるのですが、最初の記事に比べて書き方が注意深くなっている点は好印象ですね。

なにしろ、最初の記事では「日本国内における据え置きゲーム機&ネット家電としては異例のネット接続率になっている」と、PS3やXBOX360の接続率を無視した認識を恥ずかしげもなく露呈しておられましたから。2番目の記事では「ハイスペックPCのような性格のゲームマシンと違って」と、留保つきの評価をおこなっています。

これがゲーム業界人のブログであれば、色々と突っ込みたいところです。が、デジタル家電の人=ゲーム業界の門外漢のブログでは、「明確な嘘」が書いてなければ、それだけで十分立派だと思います。自分の所属とは異なる業界について、嘘の無い記事を書くのは、それだけ難しいことです。

ちなみにネット上のアンケートによる接続率調査がどれぐらい当てになるかというと、例えば下記のWatch読者へのアンケートとgooリサーチを比べただけでも、全然結果が異なっています。
Impress Watch Opinion
Watch読者とgooリサーチでかなりの違いがあらわれたのは、家庭用ゲーム機をオンライン状態で使っているかどうかだ。とくに「プレイステーション 3」では常時接続が約65%、「Wii」では約55%、「Xbox 360」では約64%だ。そしてこの3機種については、まったく接続せずに使っている人はかなりの少数派だった。一方gooリサーチでは常時接続で使っている人が、「プレイステーション 3」で6%弱、「Wii」で24%弱、「Xbox 360」で約14%だった。
アンケートで出てきた数値は、かなりいい加減なものでしょう。wa-renさんもその辺りのバイアスは織り込んだ上で、「実質は接続率約15%といったところだろう」と推測されています。その数値は普通のデジタル家電と比べれば、すさまじく高いらしいです。なるほど。

ただ、ゲーム業界の人間として、勝手に補足させていただくなら、次世代ゲーム機の感覚からいえば、15%という接続率は「非常に低い」です。(もっともその数値はwa-renさんが推測したもので、根拠が薄いのですが)

各社が数字を公表していない以上、正確な比較は当然できません。ただ、XBOX360の接続率については、タレコミを複数いただいていて、まぁ伝聞レベルの話をここで明かそうとは思いませんが、次世代ゲーム機であれば「過半数」は取らなければ、高いという形容詞は使えないでしょうね。というか、低いと言われかねません。

というのは、ゲーム会社にとってはネット接続率が100%に近いプラットフォームが2つあるからです。もちろん「PC」と「携帯電話」です。ソフトメーカーはオンラインゲームを据置ゲーム機に供給する必要性は、必ずしも無いのです。例えば、コーエーの松原氏は1年前と打って変わり、コンシューマーでのオンライン展開に消極的な姿勢に転じました。(Game Watch「コーエー執行役員 松原健二氏特別インタビュー(前編)」

プラットフォームホルダーにとって、ゲームが動く生活必需品との競争は避けがたいため、おのずとデジタル家電とは異なる水準が求められるのです。デジタル家電の世界の感覚はwa-renさんの記事に書かれてますから、ボクはゲームの世界の感覚を書かせていただきました。次世代ゲーム機メーカー3社が接続率の上昇をめざして、それぞれのやり方で切磋琢磨することを期待します。

補足
ちなみにこの「ネット接続率」の話題を取り上げている理由は、実売集計と違って第3者機関による集計が行われておらず、各社が数字を公表していないため、影響力のあるブログの(根拠の薄い)推測があたかも真実であるかのように広がる危険性があるからです。再三、各社が数字を発表してないから、本当の所はわからない、と書いているのはそのためです。根拠の薄い所に、仮説、仮説が積み重ねられ、実態と異なるイメージが広がってしまうのは、ゲーム業界にとって大きなマイナスだと考えます。
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テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

悪漢小説の書き手が送る 『世界の中心、針山さん』

世界の中心、針山さん成田 良悟

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世界の中心、針山さん 2

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奇人変人悪人超人大集合!!
斧男という都市伝説、ヤクザに拾われた魔法少女、突如として悪を討つ使命に目覚めた光の勇者、数奇な運命に導かれた彼らは、どういうわけか、所沢に住むごくごく平凡で人の好い針山さんの周りに集まってしまうのでした。(1巻)

タクシー強盗の都市伝説、悪の組織に改造され続けて最強になってしまった戦闘員、善悪の見境のつかない死霊術士と殺し屋、正義の味方の変身ヒーロー、彼らもまた、奇妙な運命にひかれるままに、針山さん一家の周りに集まってくるのでした。(2巻)

■個性的な悪党ばかりがそろっている

成田良悟ほど悪党を書くのが大好きなライトノベル作家は他にいないでしょう。作品には、実に多数の悪党、悪漢が登場します。顔を背けたくなるような外道もいれば、ただただ奔放に生きる悪漢もいれば、自由人としての小悪党もいれば、いつのまにか正義からこぼれ落ちてしまった悪党もいますし、大人には残酷なのに子供にだけは優しい悪者もいます。

彼らは実に個性的で、奔放で、魅力的です。どの作品も、ひとクセも、ふたクセもある連中が集まった、面白い悪漢小説に仕上がっているのです。というのは、どれだけ多数の悪が書かれようとも、嫌悪感を抱かせるようなヤツはほとんど出てこないからです。

本当の下種、外道は当然その報いを受けるのです。悪の美学というと、やや語弊がありますが、悪党にもやっていいこと、悪いことはあるのですね。この世に正義を体現する存在はいませんが、下種な輩に一発ガツンとお見舞いする、気持ちのいい悪党はどこかにいるものです。

■悪党にも悪党なりの筋の通し方がある

成田作品に登場する子供はしばしば、身の丈を越えた力をもった結果、ねじくれた生き方をしています。中には、善と悪の区別をもたずに、ひたすら残酷な仕打ちを続けていた子供もいます。

しかし彼ら、無知ゆえの無邪気ゆえの悪は、大抵はもっと力のある「大人の悪党」と出会って、ガツンとやられたり、優しくされたりするうちに、自分の過ちに気づくのですね。とてつもなく恐ろしい目に遭うことも多々ありますが、そういう子供が無慈悲になんの意味も無く、物語から抹消されたりはしないのです。

悪党なりに生き様があり、論理があり、美学があります。悪を悪と理解しない悪党はかっこよくないのです。だから成田作品には、じつにかっこいい悪党が多いのですね。

■成田良悟ワールドの最初の一冊として

代表作はアニメ化が発表された『バッカーノ』シリーズですが、まだ完結していません。シリーズが長いので、取っつきやすくはないでしょう。そういう点では、作者が色々なギミックを好き放題に取り入れている、この連作短編『世界の中心、針山さん』は入りやすいと思います。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:成田良悟  世界の中心、針山さん  

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