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廊下を走ってはいけません。でも走らずにはいられない『学校の階段』

学校の階段櫂末 高彰
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学校の階段を駆け上り、駆け下り、校内を駆け回る「階段レース」に青春を燃やす「階段部」の部員を描いた作品。階段レース? ご大層な……。奇抜な部活を設定したけど、どうせ真面目に部活動してなくて、部員同士のお遊びや恋愛がメインのふざけた萌え小説でしょ……と思われるかもしれませんが、さにあらず。そう思った時点で、頭のカタい教師と同じレベルです。階段部の連中は本気で大真面目にスポ根してます!

彼らが走るわけ

無理やり体験入部させられた神庭幸宏は、奇抜な部活動に真剣に打ち込む彼らの姿を見ているうちに、1つの疑問を抱きます。どうして彼らはこんな事を真剣にやっているんだろうか? おそらく読者もおなじ疑問をいだくはずです。

廊下を歩く生徒とすれ違う時には「すみません!」と声をかけ、部活が終われば階段の清掃を毎日おこなう。でも非公認部ゆえに教師に睨まれ、悪意のある生徒からは水の入ったバケツをぶつけられる。
「あいつらが三枝さんにバケツ投げつけたんでしょう! いくら何でもやりすぎだっ。何で怒らないんですか!」
「あいつらの言っていることは間違っているか?」
「え? そ、そんな問題じゃないでしょう。あいつらは」
「質問に答えろ。間違っているか? 間違っていないだろう。廊下を走ってはいけません。小学生でも知っていることだ。もし悪い奴がいるのなら、それは廊下を走っていた俺であって、あいつらじゃない」

「悪いことしてるってわかってるよ。廊下を走ったり、階段を駆け回ったり、はた迷惑で危険なことだってわかってる。しかもバイクの暴走行為や何かみたいな悪いことじゃなくて、小学生レベルのものだ。本当にガキだよ」
「…………」
「でもなあ……」
 雑巾の水がバケツの中に落ちる。
「走らずにはいられないんだよ」
 ポツリ。水滴のように、三枝の言葉が零れた。

廊下を走ってはいけません。小学生でもわかる、やってはいけないこと。不良でも暴走でもない、ただガキなだけ。学校非公認、存在自体が迷惑。すみません。でも走らずにはいられない、もっと先がある、それを信じて。

やがて幸宏も、自分の中に押さえきれない衝動が芽生えたことに気づきます。走らずにはいられない。たとえ馬鹿にされても、ゴールが無くても。回し車の中を走り続けるハムスターのように、校内を駆け回ります。彼らの熱い衝動は、実際に読んで感じてみてください。

レースそのものが面白い!

階段レースは闇雲に校内を駆け回るわけじゃありません。
レースにはショットレース、スタンダード、ラリーの3種類あります。ショットレースは階段のみを走るもので、校舎の一階から四階まで駆け上がり、一階まで戻ってくる早さを競います。スタンダードは校舎の端の階段から上がって、四階の廊下を反対側まで走って階段を降り、一階の廊下を走ってスタート地点まで戻ってくるレース。

そしてラリーは、上がりの階段の最低数と下りの階段の最低数、通過ポイントが決まっているが、ルートは自由。校内の状況を把握し、その日その時間の最適なコースを考えながら走る、最も階段部らしいレースです。野生の勘、パソコンを駆使したシミュレーション、踊り場での素早い切り返し、妙に勘のいい天然さ、などなど部員それぞれが持ち前の長所をいかして、勝利をめざすレースの中のレース。

レースに至る過程はもちろん、レースそのものが燃えますし、面白い! 2巻以降は、山の斜面に作られた、階段と校舎の数が異常に多い、天栗浜高校の校内マップが付いて、マップ片手にラリーの様子を楽しめます。

走る連中もクセ者ぞろい。部員たちはそれぞれ特技をもち、あだ名をつけられています。野生の勘を武器に、持ち前のワガママで部員を引っ張る階段部部長、”静かなる弾丸”こと九重ゆうこ。生徒会執行部をやめて、非公認の部活動に身を投じた副部長、”必殺Vターン”こと刈谷健吾。常にノートパソコンを持ち歩き、効率の良いコースを探求し続ける二年生、”天才ラインメーカー”こと三枝宗司。天馬グループのお嬢様、階段を下りる時の宙を舞うさまは美しい、”黒翼の天使”こと天ヶ崎泉。入ったばかりの主人公、特技と無関係のあだ名の”缶バッチ”こと神庭幸宏。あだ名が無いことが悩みの種、大好きな部長に振り向いてほしくて懸命に走る、幸宏のライバルにしてツンツン頭の井筒研。

実写化も決まり、今後が楽しみ

現在3巻まで刊行されていて、2巻以降では先輩部員ひとりひとりに焦点が当たり、九重と刈谷が階段部をつくった理由や、天馬グループのお嬢様が階段部に入った理由が描かれています。

また、秀逸な青春ストーリーの部分に白羽の矢が立ったか、実写化が決定しています。ファンタジー要素は何も無いため、実写化しやすい題材ではありますが、ライトノベルの実写化は前例が少なく、成功作品が無いため、多少の不安とわずかな期待をもって待ちたいですね。
気が向いたらのライトノベル週報:『学校の階段』実写映画化


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テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:ファミ通文庫  櫂末高彰  学校の階段  

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