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ナムコの考えるPのお仕事  ニコニコ動画アイマス関連まとめ

ニコニコ動画「セクハラP」
セクハラPって……。
などと疑問に思ってはいけません。アイドルを守るためならどんな役でもこなすのがプロデューサーのお仕事なのです。
「今から、プロデューサーさんは、セクハラさんなの。よろしくね」
「あ……、ゃん……、ん……いや。なでまわさ……ないでぇ」

ニコニコ動画「アイマス◆美希:AB:ビデオ撮影」
上品な演技ばかり要求されて、欲求不満がたまったアイドル。たまには思いきり弾けたいことも。そんなお願いをかなえてあげるのもプロデューサーのお仕事なのです。
「だから~、たまにはいいかなって。見てる人、ハァハァさせっぱなしの、超下品な5分間!」
「小羊……? あ、ちゃんとわかってるんだね。これから、ミキに食べられちゃうコト」

ニコニコ動画「The Idolm@ster 星井美希 01」
アイドルを守るためならどんな事でも恐れるやりぬくのが真のプロデューサー。
これがパーフェクトコミュニケーション。

ニコニコ動画「あずさ ある日7その2」
アイドルの疲れた身体をマッサージするのもプロデューサのお仕事なのです。
「へ、平気です。絶対に、悲鳴とかあげませんから。今は……、だ、だれも見ていませんし」
「お、お願いします。ば、場所とかは、おまかせしますので。その、やさしく……」


アイドルマスター(通常版)
(バンダイナムコゲームズ)
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テーマ:Xbox360 - ジャンル:ゲーム

トカゲトカゲトカゲトカゲトカゲトカゲトカゲトカゲトカゲ 『薔薇のマリア』

薔薇のマリア 4 LOVE'N'KILL十文字 青
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前巻とは打って変わって、愛と戦闘のバカ騒ぎ。トカゲだらけの乱痴気騒ぎ。今回はトマトクンとサフィニアが抜けて、マリアに惚れてるアジアン、SmCなき後の闇市を牛耳った龍州人の荊王と飛燕が加わって三馬鹿大活躍
三馬鹿が騒ぐ!
三馬鹿が暴れる!!
三馬鹿が告白る!!!
- 三馬鹿の求愛 -

「大丈夫。ボクを信じて」(三馬鹿一号)

「今は退くことにする。この街では、慎重のうえにも慎重に立ちまわらなければ馬鹿を見ると思い知らされた。それを教えてくれたやつがいる。正直、あれはきつかった。体が焼けた。これは比喩じゃない。喉から肺のなかまで少し焦げて苦しかった。のたうちまわったよ。あんなみじめな思いをしたのは初めてだ。いい教訓になった。一生忘れることはないだろう、そいつのことは――いつか必ずお前の歯をぜんぶ抜いてやる。俺はあきらめない。お前は上玉だ」(三馬鹿二号)

「オレと同い年かァ。ヨシ。テメーのことはオレが守ってやっから安心しろよ。オレァ強ェーからな。ミスター・ピンパーには勝てっかどーかわかんねーけどよォ。カジカよりはゼッテー強ェーぞ」(三馬鹿三号)
思わぬカップリングが次々と誕生!? マリア、モテすぎ。「僕は男だ!」なのに極悪な強さの変態男ばかり寄ってきます。それに、ナース服の格闘家エリカと彼ですか? 意外な取り合わせ。でも確かに意外と……お似合いかもなあ。 

マリアたち一行は再び危険がいっぱいのアンダーグラウンドへ!
あやしいベストセラー小説家ルイが8億ダラーの賞金首「蜥蜴四兄弟」の討伐企画を発表。賞金に目がくらんだマリアたちも参加し、トカゲ人達の巣食うD13下層ダーナムレーンへ。しかし同族殺しの4匹、鋏使い、圧搾魔、拳姫、超食漢は凶悪な強さで、やりたい放題のトカゲ大暴れ! さすがのZOOも全速力で命からがら撤退!!

なんとか地上に逃げ出して……なのに地上まで追ってきた!? 異界生物(フリークス)がアンダーグラウンドから出てくるという異常事態が発生し、エルデンは大混乱に。キング・グッダーの結界でかろうじて守られていた平和が破られたのだ。

地上にあふれ出た異界生物が街で大暴れするなか、マリア、カタリ、エリカ、ピンパーネル、荊王、飛燕、アジアンの7人対、同族殺しの4匹、鋏使い、圧搾魔、拳姫、超食漢の戦闘が始まる!!
愛と戦闘の行方はいかに!?


関連
ウィザードリィ小説を継ぐライトノベル『薔薇のマリア』
無力さと絶望と生きるということ 『薔薇のマリア』
怒涛の新章突入! 人が人に残すもの『薔薇のマリア』

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:十文字青  薔薇のマリア  

ゲーム販売の地域格差と伸びるネット通販

「ほしいけど売ってない」のミスマッチ

先週発売された『アイドルマスター』の実売数が期待ほどではないようです。ネットでの騒ぎほど実ユーザー数がいないのは確かでしょうが、一方で品切れしている地域にはとことん無い状態で、機会損失が生じているみたいですね。
忍之閻魔帳:「GTAサンアンドレアス」謹慎明けてパワー全開、DS新作3本も好調、他

同じ問題は『世界樹の迷宮』でも起きました。ネット上であれだけ前評判が高かったソフトが初週3万本強というのは意外。しかし品切れで売上を伸ばしようがなかったのだから仕方ありません。
去年の例でいえば『メルティブラッド・アクトカデンツァ』が品切れに泣いたソフトでした。同人→アーケードと着実にファン層を獲得してきたソフトですが、流通は仕入れに慎重だったようです。近所の店に行ったら「予約がないと仕入れないようにしてるんですよ」と言われたものです。お盆を挟んだため、かなりの機会損失があったんじゃないでしょうか。

流通の受注がなければ出荷できません。流通が売れないと判断すれば、仕入れは少なくなり、結果的に品切れが起こって、機会損失につながります。

ソフトメーカーからすれば、流通にソフトを見る目が無いという主張になりがちですが、一方で流通からすれば、それならソフトメーカーもリスクを負ってくれ、返品制度を導入してくれよ、という主張になるでしょう。どちらも積極的にリスクを負いたくないのですから、もし責めるとするなら同罪です。

深刻化する地域格差

マニア向けの商品は、売れる地域と売れない地域で格差があると言われています。単純に「売れる商品を仕入れない流通は見る目が無い」という批判は的外れです。ネットでいくら人気があっても、売れない店では売れないのも事実だからです。リアル店舗は地域の客層に根ざしているのです。今時、隣町のゲームショップまで足を伸ばす人はなかなかいないでしょうから、地域特性に大きく影響されるのは当然です。

マニア向けの商材とは言いがたい部分もありますが、ゲーム機でも似たような状況があります。
まこなこ:都心と地方で異なる人気ゲーム機在庫状況の違い

昨年末ネットでは、PS3とWiiを巡って「普通に売ってる」(=品切れになるほど人気商品ではない)という不毛な煽り合いが盛んでした。そこでも「売ってる」と「売ってない」のすれ違いが起きていました。

ネットで話題になると、あたかも「日本全国が同じ状態」であるかのように錯覚してしまいますが、実際にはリアル社会には地域格差があり、品薄感にもばらつきがあります。

伸びるネット通販

そんななか、アマゾンのようなネット通販への期待はますます高まっています。アマゾンのバイヤーは大変優秀らしく、『世界樹の迷宮』もかなり多めに仕入れていたそうです。前作の実績を重んじて新作の本数は渋る「リスク回避優先型」の仕入れ方ではなく、評判をうまく分析して仕入れ数を読みきる「機会損失回避優先型」の仕入れ方と言えるでしょう。

もちろんこれは、ネットでの話題性と販売数が結びつきやすいネット通販だから可能なことです。またネット通販の場合は、ロングテール的に継続的な販売が見込めますから、小売店ほど過敏に在庫リスクを恐れなくて済みます。

ユーザーも徐々に学習してきたのか、ネット通販の利用者は増えている印象があります。きちんとした統計データは手元にないのですが、アフィリエイト等での販売数を見ても、なんとなく納得がいきます。
(ゲーム業界のマーケティング企業は各ソフトのネット通販比率を把握し、それに基づいた提案をゲーム会社に行って……いるのかな? ま、それぐらいやってると信じたいところです)

また、ゲーム機でもダウンロード販売が増えています。Wiiのバーチャルコンソールは1月24日時点で150万本を越えたようで、仮にWiiの普及台数が380万台とすれば、約0.39本で、タイレシオ的にも有意の数字です。(VG-Chartsの数字は若干当てになりませんが)
Game*Spark:バーチャルコンソール、ダウンロード回数は150万をカウント!

ネット通販とダウンロード販売が増えていくことで、機会損失は減っていき、地域格差も(完全ではないにしても)埋まっていくでしょう。

アニメに関してはYouTube以降、若干格差が埋まりました(都市部のオタと地方のオタでYouTubeに対する評価が異なるのもそのせい)。また『涼宮ハルヒの憂鬱』の第12話「ライブアライブ」放映直後にCDを発売したら、売上が好調だった成功事例を見ても、話題になった直後にネット販売に誘導する手法が今後は増えていくでしょう。

ゲームにおいて残念なのは、ゲーム機でのダウンロード販売とネットの口コミがダイレクトにリンクしていない事です。アフィリエイトのような誘導もできません。PCや携帯電話で購入すると、自宅のゲーム機にダウンロード権のメールが届いていて、1ボタンでダウンロードできると便利なんですけどね。

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テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

謀略と愛のファンタジー『抗いし者たちの系譜』第一部完結

逆襲の魔王三浦良

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虚構の勇者(三浦良)

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覇者の魔剣(三浦良)

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再始の女王(三浦良)

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「魔王」とか「勇者」という単語からすると一見ただのファンタジーのようですが、謀略が張り巡らされる愛の物語です(笑 なんだそれ、って思われるかもしれませんが、気になった方はぜひ1巻を手にとってみてください。

■復讐と陰謀と愛

勇者サラは魔王ラジャスの魔力を吸収して魔王になりかわります。人間達からその力を恐れられ、怪物として疎まれ、迫害されてきた彼女は、人間に復讐するため、魔物を率いて人類諸国を制圧。歴史上はじめての、人間と魔物の統一帝国を築き上げます。

いっぽう元・魔王のラジャスは魔力を失い、ただの人間と変わらぬ身。彼女への復讐を誓い、一介の剣士に身をやつして武者修行の旅に出ます。人間に復讐する勇者に復讐する魔王という奇妙な図式。

それから数年が経ち、新魔王サラは「謀略の皇帝」と呼ばれ、恐るべき智謀によって帝国を支配していました。彼女は人間の狡猾さをもった初めての魔王。力任せだった魔物たちを軍隊として効率よく指揮し、人類国家どうしの不和を巧妙につき、団結を崩して、人類諸国をあっさり征服したのです。

諸侯は彼女を恐れて従っているものの、密かに叛意を抱いている状態。帝国の土台は磐石とは言いがたい。皇帝である彼女がいなくなれば、たちまち崩壊してしまうでしょう。
そんななか、サラは自分の近衛兵を選出するため、諸国から腕の立つ者を集めて武術大会を開きます。そこにはかつての魔王ラジャスの姿も。彼は彼女に復讐を果たすことができるのか、それとも彼女の策謀が勝つのか。

■王道ファンタジーに飽きた人はぜひ1巻を

最近、富士見ファンタジア文庫を読む頻度は落ちていたのですが、このシリーズは数少ない例外です。富士見は頑なにファンタジー物が多いんですが、一度飽きてしまうとなかなか辛い物があります。

普通のファンタジーとは異なるアイデアのこの作品は、なかなか楽しく読めました。キャラクターも魅力的です。ただ、主人公が能力的にも精神的にも強すぎて、2巻以降、敵や脅威をうまく作れなかったのが構造的な問題でしょうね。まあそもそも1巻で終わる物語だったんですが。

人気があるのか、近所のショボい書店でも入荷されれば売れていきます。とりあえず3巻までは出るといわれる電撃と違って、富士見は人気が無いと続きませんから、4巻まで出たのも人気のある証拠だと思います。4巻で区切りをつけたのは、物語の構造上、これ以上続けるのが厳しかったからでしょう。次回作はファンタジー色を薄めて、陰謀と愛の部分を強化したものを読んでみたいですね。

4冊ありますが、1巻で完結してるといってもいいので、まずは気軽に1冊読むことをオススメします。2巻以降はキャラクターに思い入れが生まれた人だけ読めば十分でしょう。

タグ:三浦良  

書いた記事のバッファリング

近頃、筆が乗ってしょうがない。
それはこのブログの更新率を見ても明らかですね。ブログのメインコンテンツをゲーム業界分析からライトノベルの書評に切り替えたおかげです。書いた記事が無駄にならないんです。

実をいうと、以前のブログでは書いても公開しないまま腐っていく記事が結構ありました。というのは毎日コンスタントに書く時間を取れるわけではないので、休日などにまとめていくつかの記事を書いておいて、平日に1つずつ公開していたからです。記事のバッファリング。ブロガーの中には、こういう書き方をしている人は割といるんじゃないでしょうか。

たぶんブログの読者的には、傍目には暇そうに見えていたと思うんですが、何気に去年はかなり忙しかったんですよね。同僚からは「忙しいのによく更新が続くね」と言われてたんですが、要はバッファリングしてるからです。さすがに毎日は書けません。ま、書いていた方がストレス解消になるから、忙しいほど書きたくなるのも確かですが。むしろ長期休暇の時のほうがグデーッとダメ人間モードになって、更新が落ちているぐらいです。

本来であれば、バッファした記事を平日に順に公開していけばいいんです。ただ、ニュースが飛び込んでくるとそれに反応したくなるのが人情で、割り込みの記事を書いて載せてしまいます。すると元々用意していた記事は後ろにズラすことになり、そのうち鮮度が悪くなってなんとなく載せる機会を逸してしまうんですね。まぁ後ろにズラさず、1日に2個、3個の記事を公開すればいいんですが、ボクの記事はどれも長文なので、そんなにたくさん載せても読まれないでしょう。

そんなわけで、書いた記事のうち死に記事が1割近くあったんですが、書評の場合は性質上いつ載せてもいいので、ストックしておけるんです。すでにバッファリングしてる記事が半月分ほどあります。fc2ブログの「タイマー投稿機能」を使えば、半月ボクが不在でも毎日掲載し続けることが可能です(こんな機能がある事自体、まとめ書きをするブロガーが少なくないことを示しています)。

去年忙しかった分、今年はちょっとノンビリしたかったんですが、連戦決定で今年も忙しいので、今は書評を「備蓄」しているところです。あえて週6日ぐらいの掲載に抑えているのも、安定したペースを維持するためです。

もっとも書評も、最新刊が出たすぐ後のほうが読まれる率は高いので、毎月出る新刊の書評はあまり間を置かずにリリースするように前倒ししています。例えば『DDD』の書評は奈須きのこの新作で話題性が高いので、書いてから1日、2日で公開しました。いくつかのニュースサイトさんで紹介していただき、アクセス数は好調で、アフィリエイトの売上も断トツでした。
奈須きのこの新境地!『DDD』 Decoration Disorder Disconnection

今年の裏目標は「書いた文章を1つも無駄にしない」ことに決めています。ついでに旧ブログの死蔵記事も掘り出せたらいいなと思います。今の所は目標を達成できてるんですが、年末までもつかどうか。もつといいな。

さすが!と言わせる FC2ブログ徹底攻略術持丸 浩二郎
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はじめて気づきましたが、fc2ブログ専用でこんな本が出てるんですね(アマゾンの中身検索に対応)。さすがに大手だけはあるというか。個人的には今の所必要ないけど、ついでに紹介しときます。

テーマ:雑記 - ジャンル:ブログ

マンネリズムの美学! それがラブコメだ!『まぶらほ』

まぶらほ ~じょなんの巻・いち~築地俊彦
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長い。いったいどこまで続くんだ、人気が続くまで無限にさ、という魔法学園ラブコメ。数えてみたら20冊目ですよ。始まってから7年目。ここまで続くとは……。まあラブコメというヤツは一度キャラクターが回り出せば、割と延々と続けられる性質の物語ではあります。マンネリズム万歳。それがラブコメだ!

ラブコメに不可欠なのは、嫉妬深い女の子と彼女にお仕置きされる男の子。毎日のように繰り返される夫婦喧嘩は犬も食わない、一生やってろ、ってなもんで、そもそもワンパターンでないラブコメなんてラブコメとは言わないのですよ。ええ。

いいじゃないですか。毎度毎度、キシャーこと宮間夕菜に魔法でおしおきを食らうオチになろうとも。あたるがラムに電撃を食らわない『うる星やつら』が存在し得ないのと同じです。

始めは三人の女の子が式森和樹を取り合う話でした。
優等生でおしとやかに見えるものの、嫉妬深さは日本一の宮間夕菜。お金持ちのお嬢様で、積極的に主人公を誘惑する淫乱系キャラに見せながら、じつは弱気で純情という意外性を身に着けた風椿玖里子。潔癖症な剣術娘で、ふがいない男が嫌いなはずなのに徐々に主人公の優しさに惚れ始めた神城凜

さらに途中から、足りない幼女分を補うべく、無邪気なままでやたらエロい知識を蓄えた栗丘舞穂が参加。そして今巻からは、いよいよ敗者復活戦から這い上がってきた山瀬千早が本格参戦! なにしろ新章のタイトルが「じょなんの巻」ですからね。ラブコメ混乱度がいよいよマックス振り切れそうです。

千早は文庫の書き下ろし番外編に登場していたヒロインで、和樹と知り合ったものの、直後に転校。つまり最初から「敗者」でした。その後、学校が別々になっても和樹のことが忘れられず、修学旅行の時に旅行先で偶然再会します。ずっと和樹のことが好きで、何度も告白しようとして、想いを告げられず、忘れることもできないまま、悩み続けていました。

不遇の、しかも主人公と結ばれないヒロインは、読者から強い人気を集めることがあります。まさに彼女はそうして、レギュラーの座に上り詰めたのです。最初からレギュラーだったヒロインを越える一途さをもち、ありえない敗者復活戦に勝ったのです。こんな展開、ライトノベルじゃなきゃ、ありえねーよ(笑

水戸黄門に、火サスの何が悪いっ。いいじゃないですか。頭使うのは現実だけで十分だ。読んで疲れて、どうするよ? 脳みそ停止して気楽に読める、お手軽マンネリズムの集大成。永遠はきっとここにあります。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:まぶらほ  築地俊彦  

黒物デジタル家電の人が白物家電に言及してない件について

ネット上で、いかにも頭の良さそうなデジタル家電な人たちが今頃になってiPodやDSやWiiに言及するのはよく見かけるんですが、不思議と白物家電をスルー気味なんですよね。ゲーム機とPCとデジタル家電の中身が近くなってるというのはあるにしても、総合家電メーカーだったらすぐ隣じゃないの、と。

行き詰まってきたデジタル家電

「もうハード頼みは通じない」米家電展示会「CES」が映すデジタル革新の峠越え
 「技術革新が消費者ニーズを追い越してしまった。結局のところ、勝ち組は、最先端の技術を使わず、消費者のニーズをソフトや使いやすさで汲み取った米アップルコンピュータと任天堂だけだった」(先の松下電器幹部)。
デジタル家電、とりわけ薄型テレビの価格下落が進んで、各メーカーが苦しんでいるわけですが、白物家電ではむしろ平均単価が上がっているんです。しかし何故か、高付加価値型の白物家電には言及しません。不思議です。知っていないとも思えないんですがね。

大河原克行の「白物家電 業界展望」高付加価値白物家電が注目を集める理由
業界団体である日本電機工業会(JEMA)によると、2000年の国内生産平均単価を100とした場合、2006年の洗濯機の平均単価は139に、電子レンジでは138に、炊飯器では113へと上昇している。

 価格下落が激しいデジタル家電とは異なり、白物家電の一部分野では着実に単価が上昇しているのである。

そういえば、以前のブログのコメント欄に「某大型電気店の黒物販売員」を名乗る人がやってきたんですが、全然話が噛み合わなくて苦笑させられたことがあります(笑 ボクは白物の高付加価値家電の話をしてるんですが、黒物家電の話をしきりにするんですね。消費者は機能や性能なんて気にしてないんだ、結局は価格なんだ、安さで決まるんだ、と。一生懸命、力説しておられました。
家電業界が家電の高付加価値化に取り組んでいますが、価格がちょっと高くても、1グレード上の生活を感じさせてくれる商品は売れてます。(ボク)
この第三のカテゴリーを実現するために一時は「国内製造業全滅か?」と言われていたほど中国シフトを進めて低コスト志向一本槍だった製造業が(それ以外の事情もありますけど)、いま急速に国内回帰、高付加価値・高品質志向を進めているわけです。(ぶらりんさん)
とここまで話が噛みあってるのに、黒物販売員さんが入ると、途端にすれ違いが始まります。
メーカーの営業が「凄い機能」やら「高画質」やらをいくらプッシュしたとて、大多数のお客にとって一番重要なのが「価格」であることを、誰よりも一番良く知っているのですよ。そしてそれは年末商戦も例外ではありません。(某大型電気店の黒物販売員)
いや、まあ、それはわかってるんだけど、今頃そんな話をしてる人間に力説されてもなあ……と。「機能、性能が消費者の必要十分を満たす」→「安売り競争が激化する」で、いま黒物家電はこの辺りなんですが、白物家電はとっくの昔にそこに達していて、今「高付加価値家電」でそこを突破しつつあるわけですね。

なんていうか、自分たちが最先端にいて、最先端の物を作ったり、売ったりしているという思い込みが強いせいか、自分たちの現在の悩みと同じような問題にとっくの昔にぶつかって、乗り越えつつある人たちがすぐ近くにいるんだ、という事を忘れがちなのかもしれません。

高付加価値型の白物家電、エネループ、Wii

あらためて見直せば、高付加価値型の白物家電とWiiはかなり似ていることがわかります。
  • 自分や自分の生活を高める(自己啓発、健康)
  • お母さんを味方に
  • 誰でも使えるインターフェース
  • 色が白 (ま、これは冗談まじりに……)
エネループの話も興味深いです。これもWiiと共通点が多いことがわかります。
三洋電機・エネループ担当者に聞くヒットの理由
下園氏:一番怖かったのは、「今までと同じ」と思われて、黙殺されてしまうことです。今までのニッケル水素充電池は容量そのものが価値でしたから、まず、容量の数字をパッケージや電池本体に描くことになる。我々が考えていたのは、“乾電池のような感覚で使えるニッケル水素充電池”でしたから、そうしたやりかたをすべて捨てることから始めましたね。
 製品名とデザインを決めるに当たって、念頭に置いたのは「女性に受け入れられるもの」ということです。これまで、ニッケル水素充電池のユーザーはほとんどが男性でした。しかし、乾電池の置き換えを狙う以上、ターゲットは女性、主に家庭にいる主婦層に受け入れられるものでなくてはなりません。
  • 今までの性能評価軸を捨てる(高容量化よりも自己放電)
  • 家庭の主婦を狙った
  • まったく新しい商品であるかのようなネーミング
  • より大きな市場を狙う(充電池の市場ではなく、乾電池の市場)
  • 買ってきてすぐに使える(充電済みの状態で売る)
  • 色が白、青でさわやか
でも別に白物家電の人たちは、iPodやWiiを見て、参考にして動いているわけじゃない。そこ、重要。今頃になって、アップルと任天堂にやられたとか言ってるデジタル家電の人たちは、いったい白物家電の人たちからどれぐらい認識が遅れてるんでしょうかね?

うーん……。
デジタル家電な人たちって、Windows VistaとPS3は機能と性能が無駄に多くてファットだよねという話はしても、結局いまだに男の子視点が抜けきってない感じ。iPodもDSもWiiも、男の子視点で注目してる気がします。

もし家庭の主婦層が炊飯器/冷蔵庫/オープンレンジ/洗濯機並みに使いこなせるデジタル家電を世に出したら、どれだけ面白いことが起きるか、という話はあってもいいと思うんですけどね。「iPhone脅威だよね」もいいんですが。

女性向けの市場が拡大しているゲーム業界

ちなみにゲーム業界について言えば、女性向けの市場が拡大しているという認識が浸透してきました。DSは過去のゲーム機に比べて、女性比率が高いとよく言われますが、『たまごっち』『どうぶつの森』『nintendogs』『ラブ&ベリー』など、女性向けソフトの大ヒットが多いです。

女児向けだけでなく、『お料理ナビ』のような明らかに主婦層をターゲットにしたソフトも約70万本売れています。またナムコの『美味しんぼDSレシピ集』やコーエーの『しゃべる! DSお料理ナビ まるごと帝国ホテル』など、レシピソフトが市場に急増しています。

これまでファミリー向けの「お母さんが子ども一緒に」楽しめるソフトは少なくなかったんですが、それは逆にいうとお母さんが子どものために、子どもに合わせて買っているソフトで、お母さん自身がほしいと思えるソフトではありませんでした。

ソフトメーカー各社は女性向けソフトを増やしています。上記のヒットタイトルに加えて、ナムコの家計簿ソフト、バンダイの電子手帳ソフトや、ハムスターを飼うゲーム、マナー習得、着せ替えゲーム等々。

人類の半分は女性ですし、家庭の財布の紐を握ってるのはお母さんですから、その潜在市場を狙うのは当然の戦略です。これは日本に限定した話ではありません。
女性および中高年ゲームユーザーが急増中 - 英国でも任天堂のDS効果
欧米でも同じように、女性ユーザーの市場への注目が高まっています。北米市場も成長の限界が見えつつあり、既存のマーケットはますます競争が激化するので、ソフトメーカー各社が次のポテンシャルマーケットに乗り出していくのは自然なことです。

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

タグ:デジタル家電  白物家電  

廊下を走ってはいけません。でも走らずにはいられない『学校の階段』

学校の階段櫂末 高彰
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学校の階段を駆け上り、駆け下り、校内を駆け回る「階段レース」に青春を燃やす「階段部」の部員を描いた作品。階段レース? ご大層な……。奇抜な部活を設定したけど、どうせ真面目に部活動してなくて、部員同士のお遊びや恋愛がメインのふざけた萌え小説でしょ……と思われるかもしれませんが、さにあらず。そう思った時点で、頭のカタい教師と同じレベルです。階段部の連中は本気で大真面目にスポ根してます!

彼らが走るわけ

無理やり体験入部させられた神庭幸宏は、奇抜な部活動に真剣に打ち込む彼らの姿を見ているうちに、1つの疑問を抱きます。どうして彼らはこんな事を真剣にやっているんだろうか? おそらく読者もおなじ疑問をいだくはずです。

廊下を歩く生徒とすれ違う時には「すみません!」と声をかけ、部活が終われば階段の清掃を毎日おこなう。でも非公認部ゆえに教師に睨まれ、悪意のある生徒からは水の入ったバケツをぶつけられる。
「あいつらが三枝さんにバケツ投げつけたんでしょう! いくら何でもやりすぎだっ。何で怒らないんですか!」
「あいつらの言っていることは間違っているか?」
「え? そ、そんな問題じゃないでしょう。あいつらは」
「質問に答えろ。間違っているか? 間違っていないだろう。廊下を走ってはいけません。小学生でも知っていることだ。もし悪い奴がいるのなら、それは廊下を走っていた俺であって、あいつらじゃない」

「悪いことしてるってわかってるよ。廊下を走ったり、階段を駆け回ったり、はた迷惑で危険なことだってわかってる。しかもバイクの暴走行為や何かみたいな悪いことじゃなくて、小学生レベルのものだ。本当にガキだよ」
「…………」
「でもなあ……」
 雑巾の水がバケツの中に落ちる。
「走らずにはいられないんだよ」
 ポツリ。水滴のように、三枝の言葉が零れた。

廊下を走ってはいけません。小学生でもわかる、やってはいけないこと。不良でも暴走でもない、ただガキなだけ。学校非公認、存在自体が迷惑。すみません。でも走らずにはいられない、もっと先がある、それを信じて。

やがて幸宏も、自分の中に押さえきれない衝動が芽生えたことに気づきます。走らずにはいられない。たとえ馬鹿にされても、ゴールが無くても。回し車の中を走り続けるハムスターのように、校内を駆け回ります。彼らの熱い衝動は、実際に読んで感じてみてください。

レースそのものが面白い!

階段レースは闇雲に校内を駆け回るわけじゃありません。
レースにはショットレース、スタンダード、ラリーの3種類あります。ショットレースは階段のみを走るもので、校舎の一階から四階まで駆け上がり、一階まで戻ってくる早さを競います。スタンダードは校舎の端の階段から上がって、四階の廊下を反対側まで走って階段を降り、一階の廊下を走ってスタート地点まで戻ってくるレース。

そしてラリーは、上がりの階段の最低数と下りの階段の最低数、通過ポイントが決まっているが、ルートは自由。校内の状況を把握し、その日その時間の最適なコースを考えながら走る、最も階段部らしいレースです。野生の勘、パソコンを駆使したシミュレーション、踊り場での素早い切り返し、妙に勘のいい天然さ、などなど部員それぞれが持ち前の長所をいかして、勝利をめざすレースの中のレース。

レースに至る過程はもちろん、レースそのものが燃えますし、面白い! 2巻以降は、山の斜面に作られた、階段と校舎の数が異常に多い、天栗浜高校の校内マップが付いて、マップ片手にラリーの様子を楽しめます。

走る連中もクセ者ぞろい。部員たちはそれぞれ特技をもち、あだ名をつけられています。野生の勘を武器に、持ち前のワガママで部員を引っ張る階段部部長、”静かなる弾丸”こと九重ゆうこ。生徒会執行部をやめて、非公認の部活動に身を投じた副部長、”必殺Vターン”こと刈谷健吾。常にノートパソコンを持ち歩き、効率の良いコースを探求し続ける二年生、”天才ラインメーカー”こと三枝宗司。天馬グループのお嬢様、階段を下りる時の宙を舞うさまは美しい、”黒翼の天使”こと天ヶ崎泉。入ったばかりの主人公、特技と無関係のあだ名の”缶バッチ”こと神庭幸宏。あだ名が無いことが悩みの種、大好きな部長に振り向いてほしくて懸命に走る、幸宏のライバルにしてツンツン頭の井筒研。

実写化も決まり、今後が楽しみ

現在3巻まで刊行されていて、2巻以降では先輩部員ひとりひとりに焦点が当たり、九重と刈谷が階段部をつくった理由や、天馬グループのお嬢様が階段部に入った理由が描かれています。

また、秀逸な青春ストーリーの部分に白羽の矢が立ったか、実写化が決定しています。ファンタジー要素は何も無いため、実写化しやすい題材ではありますが、ライトノベルの実写化は前例が少なく、成功作品が無いため、多少の不安とわずかな期待をもって待ちたいですね。
気が向いたらのライトノベル週報:『学校の階段』実写映画化


テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:ファミ通文庫  櫂末高彰  学校の階段  

最近の気になるゲーム(1月23日)

「気になるゲーム」の紹介2回目。
この記事の位置づけについては、第1回や、この記事の末尾に書いている通りです。今回は4本中3本はオタク向けの(つまりごく個人的な趣味として気になってる)作品です。

■ポストひぐらしの最有力候補!?『Omegaの視界 1.シキのはじまり』
同人サークル「ねこバナナ」の『Omegaの視界 1.シキのはじまり』。とらのあな・なんば店のスタッフの言によれば「ポストひぐらし」との噂もあるとか。
“ポストひぐらし”と噂のOmegaの視界  導入編の「1.シキのはじまり」は再入荷分も瞬殺

nekobana_br.jpg
ねこバナナ公式

公式サイトの作品紹介を引用します。
古本屋の美少女 宮岡 門王水(かどみ)から半ば無理矢理『月狂跳』探しを依頼された主人公は、書庫の街へと向かう。その街で 出会うのは、連続殺人/片目の少女/八相の掟・・・断片化された情報は、式日に向けて集約する。Omegaの瞳の祝福のあらんことを。
ねこバナナが贈る、ネコのためのビジュアルノベル『Omegaの視界』ついに登場。
あやしいギミックが多く、雰囲気がとてもそそります。原画の閂夜明氏の絵も上手く、オタクには取っつきやすそうです。竜騎士07氏のあの絵で『ひぐらし』をやらなかったという人もいますからね。

オープニングムービーのクオリティが高く、とりあえず一見の価値はあると思います。ただし、年末にリリースされたバージョンは、登場人物と舞台の紹介程度の「体験版」レベル。過剰な期待をして購入するのはちょっと待ってください。

あちこちのサイトで紹介され始めたため、公式サイトにも以下の注意書きが掲載されました。
『Omegaの視界 1.シキのはじまり』ですが、体験版程度の規模で大変短く(1時間)、閂ファンの方以外には正直高い価格だと思います。
春には、そこそこのボリュームで出せる予定ですので、できましたら、今回はスルーしていただき、次回までお待ちいただけますと幸いです。
基本的には、春のバージョンをおとなしく、wktkしながら待つのがいいと思います。今回は早くも閂ファンになったぜ! 一目ぼれしたぜ! という人だけが買えばいいかと。

『月姫』『ひぐらしのなく頃に』のヒットで、同人ノベルゲームは製作本数が急増し、全体の質も上昇しています。そのため、なかなか1本のソフトが注目されにくい状況になっています。とはいえ、やはり第3、第4のヒットが続かないと、拡大していかないと思うんですよね。『Omegaの視界』には大いに期待したいです。

(グラフィックのクオリティが高い事が逆の意味で気になってます。この水準を守って、定期的に出せるのか、とか。ある程度短いスパンでコンスタントに出せないと、なかなか盛り上げがらないと思います。ただ現状、同人ノベルゲームで目立とうと思えば、これぐらいクオリティが秀でていないといけないのは確かなんですけど)

■XBOX360最大のキラーソフト『THE IDOLM@STER』

アイドルマスター(限定版) 特典 DVD「SPECIAL MOVIES at TGS 2006」付き
(バンダイナムコゲームズ)
このソフトが発表されてから、ネット上の萌え系ニュースサイトやブログでXBOX360がよく話題にのぼるようになりました。客層の拡大という点で、最も大きな貢献を果たしたソフトになりそうです。

公式サイトにてプロモーションムービーと彼女たちが歌う楽曲が公開されています。世界最高峰の3D萌え表現を堪能してください、ぜひ。他国の追随を許さない日本のグラフィック表現の水準の高さを満喫してください。

スタッフ的な繋がりは知りませんが、
    『ダンシングアイ』(1996)
    『ゆめりあ』(2003)
    アーケード版『THE IDOLM@STER』(2005)
    XBOX360版『THE IDOLM@STER』(2007)
というナムコの美少女3Dの系譜がここに結実しました!

気になるのはXBOX Liveマーケットプレースでのアイテム販売です。オンライン機能が標準になった次世代機では、膨れ上がる開発費をアイテム販売で回収するという理論がまことしやかに語られました。けれども成功例って1つも無いんですよね。今の所どれも成功しそうにないし。

日本国内では、マニア向けゲームが行き詰まりつつあります。コアゲーマーの母数が減少しているので、ユーザー全員から同じ料金を徴収する、家庭用ゲーム機の基本原則では開発費を賄えなくなってきたんですね。初回限定版を高く売る商法は以前からありますが、それも徐々に煮詰まってきました。数量を読み誤ってダブついて叩き売られるケースもよく目にします。

たくさん遊んだ人からはたくさん遊んだ分だけお金を取りたいという欲求は、マニア向けのゲームを作る会社にとって切実なものです。海外で展開するのが難しい物も少なくないからです。アーケードではカード系のゲームがそれに成功してますから、同じような儲け方をしたい気持ちはわかります。

そんなわけで、非常に濃いファンの多い『アイマス』で、アイテム課金が成功するかどうかが気になっています。


■PS2とPSPで同時発売、セーブデータも共有化した連動作品『ルーツ』

ルーツ PE(初回限定版) 特典 スティックポスター付き
(アクアプラス)

ルーツ ポータブル

PS2版とPSP版が同時発売!
PS2版初回限定版(左)を購入すると、PSP版のUMDディスクが同梱されています。PSP版単体版(右)からCGモード等いくつかモードが削除されていますが、大変お買い得なパッケージです。

びっくりするのはPSPをUSB接続して、PS2版とPSP版のセーブデータを共有できる機能。PS2で遊んだ続きをPSPで遊び、PSPで遊んだ続きをPS2で遊ぶことができます。

携帯機と据置機の連動として、もっとも単純で、もっとも力技な方法だと思いますが、おおもとの発想自体は悪くないと思います。PSP用ディスクの同梱といえば、PS2『Fate / stay night』のextra editionにも、花札ゲーム『とびだせ!トラぶる花札道中記』(UMD)が同梱されます。美少女ゲーマーのPS2とPSP所有率は高いと思われるので、今後もこういうUMD同梱型のパッケージは続くかもしれませんね。


■広がる女児向けマーケット『くるくる◇プリンセス』
くるくる◇プリンセス ~フィギュアできらきら☆氷のエンジェル~(スパイク)
『忍道』や『喧嘩番長』など、男くさいゲームを出しているメーカーというイメージが強いスパイクから、女児向けのタイトルが飛び出してきました。

フィギュアスケートを題材にしたという点でもユニーク。『DSカーリング』といい、このゲームといい、冬のスポーツとタッチペンを滑らせる/こする操作は相性が良さそうです。
フィギュアスケートがゲームに! 『くるくる◇プリンセス ~フィギュアできらきら☆氷のエンジェル~』

ま、個人的には『銀盤カレイドスコープ』を読んで、フィギュアってゲーム的だなーと思っていたんですが、何気に携帯電話ゲームが発売されているんですね。いつの間に……。正直、本数が多すぎて、携帯電話ゲームまでは押さえきれないですね。
3Dフィギュアスケートゲーム「銀盤カレイドスコープ」

DSは従来のゲーム機に比べて、女性比率が高いと言われていて、実際『たまごっち』『どうぶつの森』『nintendogs』『ラブ&ベリー』『お料理ナビ』など、女性向けソフトの大ヒットが多いです。

ソフトメーカー各社も積極的に女性向けゲームをリリースするようになってきました。ナムコの家計簿ソフト、バンダイの電子手帳ソフトや、ハムスターを飼うゲーム、着せ替えゲーム等々、タイトル数が増えています。人類の半分は女性ですし、家庭の財布の紐を握ってるのはお母さんですから、その潜在市場を狙うのは当然の戦略といえそうです。

女性および中高年ゲームユーザーが急増中 - 英国でも任天堂のDS効果
欧米でも同じように、女性ユーザーの市場への注目が高まっています。北米市場も成長の限界が見えてきましたし、これから競争が激化しつつあるので、ソフトメーカー各社が次のポテンシャルマーケットに乗り出していくのは自然なことです。


★ご注意
「気になるゲーム」はボクが気になっているゲームを紹介する記事です。発売済みのソフトも、これから発売予定のソフトも両方あり、プレイしたもの、未プレイのものもあります。

以前からゲームの紹介をしてほしいという要望は聞いていたんですが、結構な本数が出てくるなか、最後まで遊んでレビューするのは現実的に難しいです。

無論、ゲームで飯を食っている人間として、発売されるゲームをチェックしています。しかし必ずしも、自分が好きなゲームや面白い作品をプレイするわけではありません。むしろ失敗作から課題を見つけることもあります。気になっていても時間が取れなくて遊べないソフトもあります。

そんなわけで、ユーザーが遊んで面白い、買って損が無いゲームをオススメするのは無理です。気になっているゲームであって、実際にプレイしていない物も含みます。購入ガイドとしては役に立ちませんよ、という言い訳を最初にしておきます。

テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

タグ:Omegaの視界  アイマス  ルーツ  

白と黒の少年の日常が交差する『とある魔術の禁書目録12』

とある魔術の禁書目録 12鎌池 和馬
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『とある魔術の禁書目録』、いつの間にやら12巻。電撃文庫でも最長クラスの長さになってきました。今回は日常編というべき内容で、おなじみのメンバーの平和な日常生活の描写が中心です。最後2割ぐらいで事件が起きますが、緊迫した事態のまま、次巻に続いています。日常からの落差もまた良し。崩れるからこそ、奪われるからこそ、他愛もないひと時が貴重なのでしょう。

■ほとんど全キャラ大集合の日常編

「罰ゲームよん♪」
大覇星祭での賭けに負けた罰ゲームで、上条当麻は御坂美琴の言う事を何でも聞かなければいけません。そう、何でも言う事を! 上条当麻はどんな目に遭わされるのか。今回こそ御坂美琴が主役の、ラブコメ展開なるか……彼女の運の悪さも尋常じゃないですからね。

主人公たる上条当麻、魔術サイドのメインヒロイン禁書目録(インデックス)、同級生の吹寄制理、三馬鹿の青髪ピアスと土御門元春、メイド学校に通う土御門舞夏、担任の月詠小萌、体育教師であり学園都市の警備員の黄泉川愛穂、『優しいのではなく甘い人格』芳川桔梗。

科学サイドのメインヒロイン『とある科学の超電磁砲』御坂美琴、美琴お姉さまを愛する白井黒子、おなじく風紀委員の初春飾利、1万人の妹達(シスターズ)、妹たちを束ねる打ち止め(ラストオーダー)、学園最強の超能力者だった一方通行(アクセラレータ)、学園の秘密に関わる風斬氷華、猟犬部隊の木原数多。

神の右席を名乗る前方のヴェント、人間アレイスター、イギリス清教の炎の魔術師ステイル=マグナス、最大主教ローラ=スチュアート、ローマ正教から移ったオルソラ=アクィナス、おなじくアニェーゼ=サンクティス、ゴーレム使いのシェリー=クロムウェル、天草流の元女教皇・神裂火織、ロシア盛教のサーシャ=クロイツェフ、その上司であるワシリーサ。

じつに多数の人物、ほとんど全キャラが登場して、しょうもない日常を騒がしく満喫します。楽しそうだな、こいつら。

■2人の主人公の物語が交差する

しかしこの「普通」も、どん底の闇の世界を生きてきた人間には、まぶしすぎます。彼の抱える負債はあまりに巨大。
「好意を向けるなンざ不可能だ。虚しいンんだよ。一億の負債に対して一円を返済した所で何になる。利子だけでも食い潰される好意なンざ払う気も起きねエ。考えるだけで馬鹿馬鹿しい。寒気がする。全てを払い終えて日差しの中で笑ってる光景なンてよォ」
彼の行く道は険しく、厳しく、暗く、困難で、何より無様です。しかしこの禁書ワールドの中で、シリーズを通して最も成長し続けているのが彼、一向通行(アクセラレータ)です。

主人公の上条当麻は、最初から最後まで、困ってる女の子を放っておけない「正義の味方」です。ギャルゲーにおける主人公の位置と言えます。ギャルゲーにおいて少女は何故主人公に惚れるのか。主人公の少年が、家庭や過去のトラウマなど、問題を抱えた少女を救うからです。主人公は救われる側ではないし、成長する側でもないのです。

もう一人の主人公である一方通行は、学園都市の人道無視、非道で外道なマッドサイエンティスト達からバケモノと恐れられる最強の超能力者。「絶対無敵の悪」からスタートし、転落しました。彼はどん底から這い上がり、成長し続けています。

2人の主人公はお互いに決して交わらない2つの道を歩んでいました。その道が交差するとき、この物語がどんな姿に化けていくのか、非常に続きが気になります。
いよいよ魔術サイドと科学サイドが大激突し、両サイドの登場人物たちが交じり合っていきそうな予感。これまでは布石にすぎず、いよいよ本番の大決戦が始まるというかんじです。クライマックスまで一方通行で突き進んでいくはず。いま読み始めるのがちょうど良い頃合いかもしれません。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:とある魔術の禁書目録  

ゲーム開発者の中にあるWindows Vista待望論

Windows Vistaがもうすぐ一般向けにも販売されますが、ここまで不評な状態でスタートするWindowsは初めてかもしれませんね。延期に次ぐ延期、バカ高い要求スペック、大幅に縮小した新機能、種類が多くてわかりにくいエディションなど、Windows Vistaは実に不満点が多いです。まさに「OSのイノベーションのジレンマ」を体現したようなOSです。
西川和久の不定期コラム「Windows Vistaを好きになれない理由」

しかし一方で、洋ゲーを遊ぶPCゲーマーは好意的に受け止めているようです。美少女ゲーム(3D系を除く)はかなり低いスペックでスムーズに動作しますが、FPSなどの海外ゲームはハイスペックを要求する物が多いので、ハイスペックを要求されても苦になりません。Game ExplorerやDirectX10、Ready Boostなど、むしろVistaのゲーマー向け機能に期待する声が聞かれます。
おそらくマイクロソフトも、早い段階でVistaに乗り換えるのはゲーマー層だと判断しているのでしょう。ゲーマー向けのアピールには余念がありません。PCにもXBOX Liveを提供することで、XBOX360との連携も強化されます。


ゲーム開発者の中にあるWindows Vista待望論

PCゲーマーに限らず、日本のゲーム開発者の一部でも「Vista待望論」が高まっています。
というのは、次世代据置ゲーム機の普及スピードが遅いからです。高性能路線のXBOX360とPS3は共に、前世代機に比べて、普及に時間がかかると言われていますし、発売直後の売れ方を見ても大いに頷けるところです。

するといくらマルチプラットフォームとはいえ、2機種だけでは心もとない。当然PCも視野に入ってきます。けれどもPCでの開発経験が乏しい日本のゲーム開発者にとって、性能差や機能差を埋めるのはうっとおしい作業ですし、XBOX360やPS3と大きな性能差がある環境には作りたくない。

Vistaは性能面で「足切り」をしてくれますし、ゲーム向けの機能がいくつも盛り込まれています。また勉強熱心な技術者がシェーダー等の技術をキャッチアップする際には、DirectXを使うことが多いので、本格的なゲームは組んだ事が無くても、少しは触った事がある人は割といるんですね。日本のゲーム開発者にとってVistaは乗っかりやすいプラットフォームです。

欧米のゲーム開発者が高い技術力を維持している背景には、PCでは半年、1年ごとに性能と機能が更新されることがあります。勉強熱心で技術力の高い人間なら誰でも、「日本もPCでも開発していればなあ……」と考えたことは1度や2度はあるはずです。PCゲームが好きじゃないボクでさえ、3Dエンジンのプログラムをしていた頃はそう思った事があります。

経営面でも「ロイヤリティーを取られない」「プラットフォームホルダーの制約を気にする事なく、自社で好きにビジネスを展開できる」「マルチプラットフォームの選択肢が増える」「オンラインを前提にしたゲームを出しやすい」「技術力を維持できる」といった、実に多くのメリットがあります。Vistaをきっかけに、PCゲームのラインナップを増強してみようか、と検討している会社は結構あるんじゃないかな。

まぁ「プロセッサ性能至上主義が崩壊した」と書き続けてきた人間からすれば、Vistaに好意的になる理由は1つも無いのですが。とはいえ、性能至上主義が崩壊したとしても、技術力を維持しておきたいという経営的な課題からすれば、Vistaが使えるプラットフォームになってほしい心情はわかります。

Windowsの場合、なんだかんだで乗り換えざるを得ないので、普及はしますからね。それ以外の選択肢は店頭から無くなるし、古いのを使い続けようとしても壊れますから(笑


マイクロソフトの戦略のぶれが気になる

XBOXを立ち上げるに際し、マイクロソフトはPCゲーム→ゲーム機の流れを後押ししました。特にXBOX360では「PC版を360に移植する」よりも「360向けに作ったゲームをPCに持っていく」方が楽になっている、と言われています。

また北米のPCゲーム市場は縮小傾向にあり、逆にゲーム機市場は拡大しています。単純に考えて、PCゲーマー→ゲーム機ユーザーという移行が起こっているんですね。
PCゲームの縮小傾向の話は一昨年くらいから気にかかっていたけれど(2006-1-8)

ゲームプラットフォームとしてのWindowsがこのまま弱体化してもいいのか。「OK、OK」なら非常にわかりやすかったんです。けれどもマイクロソフトはVistaでゲーム強化を打ち出しました。Windowsを捨てられないんですね。そのために戦略とメッセージがぼやけています。

まぁXBOX360とPCをXBOX Liveで繋げるというのは悪い話ではないんですが。ただ、これもせっかく性能が揃っている360の世界に、不揃いなPCが繋がることで、面倒を増やしてしまう怖れがあります。

それでもXBOX Liveがメインで、プラットフォームはPCでも360でもどちらでもいいんだ、という思想なら、面白い試みだと思います。パッケージソフトとしてのOSやハードで儲けるのではなく、サービスベースのビジネスへの移行だからです。ただ、どうかなあ……結局マイクロソフトは「PCを抜いた世界」を許せないんじゃないか。ボクはそう疑っています。

Microsoft Windows Vista Home Premium 通常版

Microsoft Windows Vista Home Premium アップグレード版

テーマ:★ゲーム業界★ - ジャンル:ゲーム

タグ:Windows  Vista  

みのりん!みのりん!みのりん!みのりん!みのりん!みのりん!な『とらドラ4!』

とらドラ4!竹宮 ゆゆこ
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虎(逢坂大河)と竜(高須竜児)の二人を中心にしたラブコメ小説第4巻! 大河は生徒会副会長、竜司の親友の北村祐作のことが好きで、竜児は大河の親友の櫛枝実乃梨のことが好き。お互い、相手の親友が好きなんだから協力しましょうそうしましょうってな関係を続けて、はや4冊です。

■みのりん! みのりん! みのりん! みのりん!

タイトルからしたらこの2人がくっつくに決まってんじゃねーの? という感じであり、その割りになかなか関係が進まないなあ……引き伸ばしすぎじゃね? って思いも湧いていたのですが、ですが!

正ヒロインの手乗りタイガーこと逢坂大河よりも、腹黒チワワこと川嶋亜美よりも、学年一のハイテンション娘! 櫛枝実乃梨が大好きなみんな! 喜べ! ついに我らが女神、いや俺の嫁(脳内で確定、予定、決定済み)が表紙を飾りましたよっ! みのりんが興奮した、みのりんが笑った、みのりんが叫んだ、みのりんがおびえた、みのりん大活躍!!!!
ひょっほおおぉぉぉっ!
いぇえぇぇぇぇぃっ!
ぶらぼぉぉぉぉっ!
ひゅーーーーーーっ!!

突然表紙の絵を見せられても、『とらドラ!』を未読の方は戸惑うかもしれませんが、よく耳をすましてみましょう。何か聞こえてきませんか?
    みのりん! みのりん! みのりん! みのりん! 
    みのりん! みのりん! みのりん! みのりん!  
そう、みのりんという声がハッキリ聞こえてきます。さあ、もう一度耳をすまして。
    みのりん! みのりん! みのりん! みのりん! 
    みのりん! みのりん! みのりん! みのりん! 
今や「みのりん」という歓声が俺の脳内を覆い尽くそうとしています。

え、正ヒロインはタイガーじゃないかって?
まあ、物語的なお約束としてはそうなのかもしれませんが、そんな程度のことで妄想を抑えられるとでも? だいたいですね、逢坂大河はそりゃ確かにかわいいですよ、すげえワガママですが、いかにもツンデレって感じですよね。でもなんつーか、素直じゃなさすぎだし、意気地無さすぎでしょ。

チワワも右に同じっつーか。結構似てると思うんですよね、大河と亜美って。本当の顔を見せられるのが竜児だけ。派手好きでプライドが高い亜美にしても、グラビアのモデルで一見「太陽」っぽいけど、実は性格は「月」って感じで。

ま、それが悪いわけじゃないんですけどね。タチの悪い女の子にハマっちゃう男の子の話なんだろうし。でも、大河と亜美に加えて、竜児も鬱屈してるトコがあるから、物語が停まりぎみというか、スカッとしないんですよね。

すると「みのりん待望論」が出てくるのも自然なんですね。ほら、やっぱり彼女がいると、物語が前向きに進んでいく感じがしませんか。暗雲を払う太陽のまぶしさがあるわけですよ。ええ。『とらドラ!』を照らす明けの女神ってトコでしょう。

■選択肢が無いんじゃなくて、選択肢が選べないんだ

そもそも小説って不便なメディアだと思いませんか?
誰か1人、特定のヒロインとくっつくしかないんですよ。残酷な話でしょう。これがギャルゲーだったら、何の問題もないんです。大河ルート、亜美ルート、みのりんルートを攻略すればいいだけなんですから。でも小説はたった1人の女の子としか結ばれません。まぁタイトルからすれば、タイガーなんでしょうが。悲しい話です。

何故そこでギャルゲーを引き合いに出すかというと、作者の竹宮ゆゆこはPC美少女ゲームのシナリオライター出身。前作『わたしたちの田村くん』といい、『とらドラ!』といい、いかにもギャルゲーちっくなシチュエーションの小説を書くのが得意です。ていうか、これだけ書ける人なら、ゲームの方でもっと話題になっててもよさそうですが。
Wikipedia「竹宮ゆゆこ」

(ここ2、3年で、ノベルゲームからライトノベルに移行した作家はかなり増えてます。ケータイ小説でも、内藤みかのように、アダルト系小説から転身した人が多いです。エロ系の人のほうがフットワーク軽いのはどのメディアでも一緒ですね。)

ノベルゲームに慣れたゲーム世代の僕らにとっては、『田村くん』や『とらドラ』は選択肢が無い小説なんじゃなくて、選択肢が選べない美少女ゲームという感じです。選択肢を選べないほうが、やきもきする度合いは強いですしね。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:竹宮ゆゆこ  とらドラ  

西尾維新が送る、12ヶ月連続刊行の時代活劇『刀語カタナガタリ 第1話 絶刀・鉋(ゼットウ・カンナ)』

刀語カタナガタリ 第1話 絶刀・鉋(ゼットウ・カンナ)西尾維新
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12ヶ月連続刊行、全12巻の時代劇『刀語カタナガタリ』がいよいよ開幕。刀を使わない剣術「虚刀流」の使い手、鑢七花(やすりしちか)と幕府の軍所の奇策士、とがめが伝説の刀12本を集めるため、全国を旅する対戦格刀絵巻。

伝説の刀鍛冶、四季崎記紀。彼の鍛えた刀をより多く集めた者が天下を制するといわれ、かつての戦国時代には、四季崎の刀を多く集めた国が優勢になった、いわくつきの刀。その数、なんと千本。しかし千本の変体刀のうち、真に恐るべきは完成形十二本。残りの刀は十二本を生み出すための習作にすぎない。

絶刀・鉋(かんな)  斬刀・鈍(なまくら)
千刀・鎩(つるぎ)  薄刀・針
賊刀・鎧(よろい)  双刀・鎚(かなづち)
悪刀・鐚(びた)   微刀・釵(かんざし)
王刀・鋸(のこぎり) 誠刀・銓(はかり)
毒刀・鍍(めっき)  炎刀・銃

揃いも揃って、奇妙な銘の奇妙な形状の刀ばかり。さすがは変体刀の中の変体刀。当然、それを持つ敵も、曲者ぞろい。キャラ作りの巧さ、キャラの立て方の尋常の無さは、相変わらずの西尾維新。奇妙奇天烈異能バトルも申し分なし。

最初の敵は、殺人に特化した真庭忍軍の真庭蝙蝠。手にするは絶対に折れないといわれる絶刀・鉋。そして変体刀を上回る、変体人間な忍術を使います。一方、七花は虚刀流の使い手とはいえ、孤島に父親と姉の三人で暮らしていたため、修行はすれども、本当の殺し合いは初めて。卑怯も奇妙も忍術のうちな相手にどう戦うか。

また、刀はあれども、花が無ければ、時代劇は始まりません。
ヒロインの奇策士とがめも魅力的。若くして幕府の要職に上り詰め、太平の世に天下を取ろうと野望を抱く。頭が良い割りに少しドジな所もあって憎めない。
「ああ」
 自信たっぷりに――とがめは頷く。
「金で動く人間は駄目だ――名誉で動く人間も駄目だった。ならば残された理由はたった一つ――愛だ」
「あ、あい?」
「愛で動く人間は、信用できる」
 とがめは言った。
 いい身体をしておる。
 見てくれもまあまあだ。
 頭の悪さが気に入らないがまあいいだろう、と。
「鑢七花。わたしに惚れていいぞ」
現代を舞台にした小説が多かった西尾維新の初めての時代劇。会話の暴走が激しく、掛け合いが楽しくてしかたがなかった『化物語バケモノガタリ』と比べると、おとなしめ。同じ系統の楽しさは期待しないほうがいいでしょう。

西尾作品で三人称は珍しいです。技術があるだけに、三人称もきちっと書けるんですが、やっぱり一人称のテンションはありませんね。一方、過剰な内面語りがなく、これまでの主人公に比べて格段にスカッとした、竹を割ったような性格です。西尾作品に苦手意識を持っていた人にこそオススメかもしれません。

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タグ:西尾維新  刀語  

西尾維新版・学校の怪談か、ギャルゲー小説か。『化バケモノ物ガタリ語』

化物語 上・下西尾維新

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西尾維新、最新作『化物語』。
中高生向けのハードカバー、あるいはライトノベル世代へのハードカバー、講談社BOX。試みは面白いものの、書店では割と置き場所に困っている風にも見えますね。ハードカバーの棚には置けないし、結局ノベルスと同じあたりに置いてあって、あんまり意味無い気が少し。値段に見合う中身があるとも思えず、敷居を上げてしまったような。出版社にとっては単価が上がって利益率が上がる方がうれしいのかもしれませんが。

内容は西尾版『学校の怪談』といったところです。
『ひたぎクラブ』『まよいマイマイ』『するがモンキー』『なでこスネイク』『つばさキャット』の計5編の短編連作で、怪異に取り憑かれて困っている女の子を、「僕」=阿良々木暦(あららぎ・こよみ)が助けていきます。主人公の周りに女の子が増えていく構造なので、5人で止めておかないと、収拾がつかなかったかもしれません。

主人公はいーちゃんの「いい人」っぽい部分だけを抽出したようなキャラクター。また他の人も基本的にいい人ばかりなので、作者が趣味で書いたというように、読者も気軽に読める1作。女の子との漫才的な掛け合いが多く、脱線する会話がとても楽しい。

女の子と主人公の関係といい、脱線する日常会話といい、西尾維新によるギャルゲー小説といっていいでしょう。作中でも、「一番難易度の高いキャラ、もう攻略しちまってるからさ」「虹色町」等々、かなり自覚的に自己言及しています。

参考:Wikipedia 化物語

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テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:西尾維新  

このハルヒ漫画のセンスに嫉妬(w

魔竜皇帝リザードマックス降臨…!!
珍遊記的なセンスが微妙にブレンドされたハルヒワールド。アレげな古泉とキョンとハルヒが素敵すぎ。

クルマ星人も!








テーマ:涼宮ハルヒの憂鬱 - ジャンル:アニメ・コミック

タグ:涼宮ハルヒ  

最近の気になるゲーム(1月16日)

試験的にですが、ボクの「気になるゲーム」を紹介していきます。以前からゲームの紹介をしてほしいという要望は聞いていたんですが、結構な本数が出てくるなか、最後まで遊んでレビューするのは現実的に難しいです。

無論、ゲームで飯を食っている人間として、発売されるゲームをチェックしています。しかし必ずしも、自分が好きなゲームや面白い作品をプレイするわけではありません。むしろ失敗作から課題を見つけることもあります。気になっていても時間が取れなくて遊べないソフトもあります。

そんなわけで、ユーザーが遊んで面白い、買って損が無いゲームをオススメするのは無理です。気になっているゲームであって、実際にプレイしていない物も含みます。購入ガイドとしては役に立ちませんよ、という言い訳を最初にしておきます。

■ウィズ世代には忘れられない「手書きマップ」RPG

世界樹の迷宮 特典 豪華デジパック仕様 世界樹の迷宮アウトテイクミニサントラ付き
(アトラス)
今週発売予定。ライトノベルにおけるウィザードリィ小説『薔薇のマリア』を紹介したばかりなので、本格ダンジョンRPGのこのゲームが気になってます(笑 ネットで非常に前評判が高く、口コミで伸びていきそうですね。DSの特徴を生かして「手書きマップを書く」をゲームに取り入れた意欲作で、方眼紙片手にRPGをプレイした世代にダイレクトヒットする魅力を感じます。

『世界樹の迷宮』ディレクター 新納一哉氏ロングインタビュー【第一回】
開発者の新納一哉氏は評判の良いDS『カドゥケウス』を制作してますから、クオリティの面で不安感は無さそう。『カドゥケウス』もタッチペンを生かした良い企画でした。

■大作不況をはねのけた『龍が如く2』
龍が如く2 特典 Kamutai Magazine 大阪特集号(特別付録:メイキングDVD同梱)付き(セガ)
去年のソフトですが、遊べてません。50万本突破して、まだ売れています。ボクの周りでも評判が高いです。前作の評判が口コミで広がっていた所に廉価版が発売され、ユーザーの母数が増えたタイミングで『2』を発売。内容に加えて、リリース展開、プロモーションも見事にはまり、大作路線のソフトが軒並み元気が無いなか、成功をおさめました。

開発費が巨額なため、黒字ではないと思いますが、これだけ売れれば、市場において十分な存在感があります。ゲームで日本映画的な路線をやるという企画目的は立派に果たせたのではないでしょうか。

『龍が如く』や最近の『MGS』を見て思うのは、主人公の年齢の上昇ですね。一般論として、自分に近い年齢のほうが感情移入しやすいため、ファミコン世代の年齢上昇にあわせて、ストーリー系ゲームの主人公の年齢も上がっていくのは自然なことです。

ストーリー系ゲームが昔ほど売れなくなってきたのは、ユーザーが忙しくなってきたのが第一の理由ですが、ユーザーの年齢に見合った内容を提供していない事も理由に挙げられるでしょう。そういう意味では、坂口博信氏の『ロストオデッセイ』の渋い感じの主人公造形が気になってます。XBOX360なのがもったいない。

■ゲームを捨てきれない悩みが見える『あつまれ!ピニャータ』
あつまれ!ピニャータ(レア)
先週発売されたソフト。少しだけプレイしました。
画面写真を見ると、レア版『どうぶつの森』っぽいのですが、中身は全然違います。「庭いじり」してガーデンを作り上げます。するとピニャータがひきよせられるので、住み着いてもらい、それによって別のピニャータがひきよせられて……を繰り返して、ガーデンを育て、ピニャータを育てていきます。

3DアクションやFPSに特化していたレアの新境地。欧米のゲーム開発者の路線転換か? と思って注目してたんですが、年末に売れなかったことで、路線転換は少し遠のいたかもしれませんね(→Viva Pinataあるいはレア2.0か)。

映像クオリティは相変わらず高い。つか尋常じゃない。ゲーム業界で最もファー(毛)が大好きなレアだけに、ぬいぐるみの独特の質感も見事。完成度の高い1つの世界を作り出しています。絵の方向は違いますが、ピクサーのDVDを買っているファミリーなら、楽しめる映像。必見級。

反面、ゲーム的には惜しい部分がいっぱいあります。ショボいわけではなく、逆に遊びが過剰で、整理がついていない感じです。おそらく作り手は「庭いじりなんて退屈」と思われる事を恐れたんでしょうね。その不安が悪い方に表れています。

開始直後は、これでもかというぐらい、何かするとリアクションが返ってきます。新しいピニャータが次々やってきますし、大工や雑貨屋といった人物も増えていきます。要素が多すぎ。もっとのんびりやらせてよ、と思います。

ピニャータ同士の子どもが生まれる時のミニゲームも、なんでこんな事をやらせるのか、理解に苦しみます。ゲーム的な要素を入れないと、不安でしかたなかったのかなあ……。そういう部分が散見されて、もったいない。ゲーマー志向の強い欧米で、この手のゲームを作る悩ましさが垣間見えた気がします。

割と致命的なのが、地面を耕したり、草の種を蒔いたりする行為があまり嬉しくないこと。『牧場物語』を見習った方がいいんじゃないか。作業ゲーとしてまとめるにしろ、鑑賞ゲーとしてまとめるにしろ、遊びの肝の部分がぼやけてますね。とはいえ、惜しい部分も含めて、ゲーム開発者の人には1度プレイしてみることをオススメします。


■時をかける少女
時をかける少女 限定版 通常版(細田守監督)
まあゲームじゃないんですが、ついでに。実を言うとまだ観てません。いや面倒くさくて。良作のようなので、そろそろ観ておいてもいいかな、と思うしだい。皆さんはいかがでしょうか?

『ハルヒ』のヒットがあった直後だったんで、ネット効果で人気が高いと言われましたが、実際そんなに人気あったかな? 評判は良かったものの、実際に観た人は限られていたような。無理やりネット効果につなげられた印象があります。

YouTube効果については、東京圏のオタとちがって、アニメがタイムリーに観られない地方オタが潜在ユーザーとして再発見された、という事でしょう。

東京圏のオタなら、放送を観て気に入ったアニメのDVDを買うわけですが、地方のオタだとWinny等のP2Pソフトを使わないかぎり、タイムリーに観られません。DVDが出るまで待つにしても、1度も観てない、中身を確かめられないのにDVDを買わないといけないのかよ! 近所のTSUTAYAもそんなに品揃え良くないよ! という人がけっこういた、と。

(続)愚問~論理迷走論考~ 地方と都会の娯楽格差に関しての徒然
「そんななんにもないところで唯一楽しめるのが100円以下で借りられるビデオ、DVDです。」なるほど。
  都会:テレビ放送。YouTube。回線太いからStage6も余裕。
  地方:YouTube。ビデオレンタル。
  さらに地方:ビデオレンタル。
って感じでしょうか。

テーマ:新作ゲーム - ジャンル:ゲーム

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奈須きのこの新境地!『DDD』 Decoration Disorder Disconnection

DDD奈須きのこ
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『月姫』『Fate』のシナリオライター、奈須きのこの最新小説。同人小説『空の境界』は荒削りな魅力がありましたが、今作は経験を積み、より技術が洗練され、読みやすく、とっつきやすくなっています。

■これまでとは違う雰囲気の作品

軽口を叩くような軽妙な文体、ファンタジー設定の少ない世界観、飄々とした主人公、悪魔的なパートナーなど、従来の奈須きのこ作品とかなり雰囲気が異なるため、逆に熱心なファンほど違和感が大きいかもしれません。

過去の作品の主人公はいずれも高校生で、正義感が強く、良くも悪くも青臭い部分がありました。けれども主人公の石杖所在(ありか)は二十歳の青年で、少年漫画めいた熱さはほとんど感じさせません。漆黒の義手義足をつけた、ベッドの上の住人迦遼海江(かいえ)にしても、これまでの主人公のパートナーとはかけ離れた、冷笑的なふるまいの似合う悪魔的な人物です。

奈須きのこの『月姫』は、ギャルゲー的な日常世界と少年漫画的な異能バトルをあわせ持ち、その後のノベルゲームとライトノベルに強い影響を与えました。『DDD』にはそのどちらの要素もなく、まさしく新境地と評する以外ありません。

講談社のファウストに掲載された作品でもあり、講談社ノベルス、いや西尾維新の『戯言』シリーズの影響を感じる部分が散見されます。そういう意味では、講談社ノベルスは読んでるけど、ギャルゲーチックな奈須きのこ作品はどうも肌に合わないなーという人に、オススメです。

『月姫』も『Fate』も『空の境界』も同一の世界観を共有していたのですが、『DDD』はその辺が曖昧です。いつもの奈須きのこワールドではないかもしれません。魔術や吸血鬼、サーヴァント等のファンタジー要素が作中にほとんど出てこないため、オタク的な要素の羅列についていけなかった人にも入りやすいと思います。

■悪魔すなわち人の弱さの物語

感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病、アゴニスト異常症患者、俗に言う「悪魔憑き」が蔓延している世界。そこは人の弱さが可視化された世界なのかもしれません。しかしそれは決して、人の弱さに対する優しさを描いた物語ではありません。
「俺が訊いてるのは、どうして悪魔に憑かれるかってコト」
「なにそれ。つまんない。言うまでもないじゃん、本物だろうが偽物だろうが、悪魔がとり憑く人間は決まってるじゃない。連中、昔っから心の弱い人間が大好きなんだから」

「悪魔という概念は弱さの全肯定でね。弱さを温床にするんだから、全力でその弱さを育てあげる。見失っていただけの社会性を、完全に失わせてしまうんだよ。陳腐な例で言えば、恋人がいなくなったら生きていけない、なんて人がいる。これは訪れる悲観に対する予防線にすぎないんだけど、悪魔憑きの場合は本当に自殺してしまう。悲しいから死にたい、けど死ぬのは怖い。それがまっとうな人間のバランスだ。けど、彼らの場合は違う。”悲しいのはイヤだから死ぬしかない”っていう、未来に対する怖れが皆無なんだ。本当に怖い人間っていうのはね、培ってきた過去も未来もどうでもいい、”現在”しか見えていないっていう人のコト」
『DDD』は過去の作品と異なり、「悪魔憑き」という異常事態も表面的には科学的な説明がなされています。魔術の一言で片付けられたりしないのです。あくまで精神病の一種として説明され、理解され、処理されていく、どこまでも科学的な説明が付与されていきます。まさしく非常に「現実的な」世界です。人の弱ささえ、そのように語られるのが現代なのですから。

この物語がこれから先どのように展開していくかは不透明ですが、まだ序章に過ぎないのは確か。人物が出揃ってきたところで、さあこれからどうなるか。1巻の巻末には年表がつづられていて、発表済みと未発表のエピソードが掲載されています。2巻はComing Soon...との事ですが、本当に早く読みたいものです。軽妙でクール、皮肉と冷笑とささやかな甘さでつづられる、人間の弱さと悪魔の物語を。

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最近いい加減な集計サイトが多いなあ・・・・

VG-Chartsの次世代ゲーム機の売上集計に訂正が入りました。Wiiの北米の累計販売台数を約180万台から約140万台に修正。全世界の累計普及台数も約350万台に訂正。またXBOX360とPS3の台数にも訂正が入っています。これはNPDグループが正式に12月の北米の販売台数を発表したためです。(Wiiが年末に180万台というのは、GCの時を凌駕する数字で、違和感がありましたが、GCの時とほぼ同じ140万台なら納得感があります。)

12月の米ビデオゲーム機販売、任天堂の「Wii」が「PS3」を抜く=調査会社
12月の販売台数はWiiが60万4200台、PS3は49万700台だった。マイクロソフトのXbox360は110万台売れた。
WiiとPS3の販売台数を合計して、XBOX360の合計台数と互角という状況で、XBOX360が非常によく売れたことを示しています。XBOX360との差は縮まるどころか拡大しています。
また12月の販売台数で見ると、WiiとPS3の台数差はさほど大きくありません。少なくとも日本のようにダブルスコアという状況ではないですね。

今年始め「NPDグループの集計値」として「Wiiが北米で年末180万台」という数字が流れて、一部の商業メディアでもそういう数字が載ったようですが、そもそもその情報に誤りがあったみたいです。じつはNPDグループは「うちはまだ数字を外に出してないぞ!」と主張していました。

次世代ゲーム機が始まったことをきっかけに、海外では台数比較サイトがいくつか立ち上がっているようですが、(リアルタイムに台数集計されているかのごとく)情報の更新が異常に早く、ネットで話題になっていましたが、基本的には素人がやっている事なので、信用できません。

nexgenwars
ここもその1つですが、Wiiの販売直後に約70万台→約40万台と売上台数を訂正し、一気に信用を落としました。ネット上で噂された出荷台数をもとに、販売台数を予想して掲載していたかんじです。で、実際のデータが出てくれば訂正する、と。

日本の集計サイトだと、エンターブレインやメディアクリエイトの集計が発表されてから更新するので、こういう事は起きないのですが、海外の集計サイトは、出荷台数や噂から最新の売上を推測→実際のデータが出てきたら訂正、というやり方を取る所が多く、最新の集計結果は話半分に読んでおいたほうが良さそうです。

VG-Chartsのほうは割と真面目に、情報の訂正と更新をおこなっているので、nexgenwarsよりは信用できそうな印象です。過去のデータは信用していいと思います。実際、多くのブログやニュースサイトが参照しています。VG-ChartsはGiGAZINEさんで紹介された事もあり、比較的信用されているみたいですね。うちも1度リンクを張っています。
GiGAZINE:Wii、PS3、Xboxなどの全世界売上グラフを見ることができる「Videogame Charts」

まぁ完全にデタラメという事はないのですが、ミクロな議論(今月はどちらが勝ったか?)をする際は注意したほうがいいでしょうね。NPDの集計は大抵、翌月の中旬に発表されることが多いので、早すぎる最新情報は疑ってかかったほうがいいと思います。

次世代ゲーム機が発売され、ネットでは各ハードのファンの間で煽り合いが過熱しています。一方で、「売り切れだ」「余ってる」「ぜんぜん買えない」「行ったらあったよ」「……と聞いたが」「そんな話聞いたことがない」「アメリカ在住ですが……」など、局所的な情報や、ある一瞬だけの情報、ソースのよくわからない伝聞を、さも全体的な傾向であるかのように広める人も増えている印象です。なまじっか写真などもあるだけに説得力があります。

どうせ週単位で集計結果が出てくるんですから、そこまでしなくてもいいのになあ……と思うんですが、それだけ盛り上がっているという事でしょうか。個人的には、虚偽の情報が増えたなあと感じていて、少し慎重に受け取るようにしています。

追記
NPDグループの発表値を合計すると、Wiiが47万6000台+60万4000台=108万台。PS3が19万7000台+49万台=68万台。XBOX360が51万1000台+110万台=160万台。vg-chartsだと、Wiiが143万台、PS3が91万台で、訂正後の数字でもNPDグループの数字より大きいですね。うーむ……。

まぁ数字の違いよりも、大まかな傾向としてXBOX360の売上台数=Wiiの売上台数+PS3の売上台数という事を認識しておいたほうがいいですね。前世代ではPS2の売上=XBOXの売上+GCの売上という図式で、結局そのままPS2が逃げ切ったのですが、今回はXBOX360が逃げ切る可能性が高くなってきた、といえそうです。

テーマ:TV-GAME☆NEWS - ジャンル:ゲーム

移転の感想

fc2ブログに引っ越してきて、約2週間経ちました。
アクセス解析を見てみると、読者の方々の移行はほぼ終わった感じです。リンク経由で飛んできているアクセスも大部分、移行していただけたようです。早速リンクの修正をしてくださったサイトの管理人の皆様、ありがとうございます。

■ハルヒはいまだにアクセスが

以前のブログへのアクセスもまだありまして、何気に多いのが中華系の掲示板とWikipediaからのもの。どちらも「涼宮ハルヒ」関連の記事に飛んできています。ハルヒ関連へのアクセスは、本当にロングテールですね……。

Wikiのような知識をストックしていくタイプのメディアは強いなあと思います。今まで「まとめサイト」の類を作ったことは無いんですが、更新の労力に対するアクセス数の効率が良さそうなんで、ちょっと興味が高まってます。

■Unreal Engine関連のアクセスも

あとはPS3fanさんのコメント欄から、Unreal Engineについての記事に飛んできてました。コナミがPS3で発売を予定していた『コーデットアームズ・アサルト』が発売中止になったという噂が流れていて、もしかするとまたもやUnreal Engineが原因なの? と推測されているようです。

『コーデットアームズ・アサルト』はUnreal Engineを採用していたはずなので、『フレームシティ』に続いて2本目という事になります。開発中止の要因は色々あるのでしょうが、Unreal Engineによる開発の遅れも影響していそうです。FPSのエンジンを使ってFPSを作れなかったのはちょっと凄い事態ですけども。
(ナムコ、コーエー、コナミで「Unreal Engine被害者友の会」を結成したらどうですかね……。)

Nao_uの日記 2006-09-24 TGS
ゲームショウの時点でフレームレートがやばめだったようで。やっぱり最適化不足でしょうね。

ARTIFACT@ハテナ系 PS3の『CODED ARMS ASSAULT』発売中止
開発中止についてのまとめ記事。

誤解してほしくないのですが、ボクはUnreal Engineを単純に悪者にするつもりはまったくありません。最終的には使うと決めた側、使う側の責任です。またゲーム開発の責任は当然、プロジェクトを実行する開発チーム自身にあります。

しかしゲーム業界では、商用エンジンの良い点ばかり過大にクローズアップされていた時期があり、その悪影響が次世代機の発売とともに表面化しているのも事実。問題点を指摘する記事がネット上に存在する事は、意見の多様性と公平性という点で、価値があると思います。ボクは直接の被害者ではありませんが、現場の本音も必要でしょう。(次世代ゲーム機における日米の温度差


■fc2ブログに移行して良かったこと

移行先は、はてなやアメーバブログも検討したんですが、はてなは閲覧者の側の感想としてちょっと重い印象で、アメブロはメンテナンスの頻度が多い感じがしました。

1.サーバーが軽い
劇的なスピードアップです!
他にもいくつかのブログサービスを使った経験があるのですが、体感速度では今の所いちばん速いです。xreaでMovableType使ってましたが、サーバーにかかる負荷が全体として重くなったのか、秋頃から動作が全般的に遅くて、非常に辛かったんですよね。スパムトラックバックとコメントが多かったし……。

2.ケータイでの閲覧が可能に
携帯でアクセスすると、ちゃんと携帯バージョンが表示されます。以前のブログでも携帯で見に来ている人は少数ながらいたんで、地味に需要があるんだなあ、と。文章量が多いから、携帯で読みやすいわけではありませんが。なおアマゾンとbk1のアフィリエイトは対応できてませんので、ご注意ください。

3.fc2のサービス 足あと機能
fc2ブログのユーザーに限りますが、足あと機能で、訪問者がわかるのが面白いですね。(訪問履歴を残さないオプションも選択可能)

4.fc2のサービス ジャンル、タグ
ブログのホスティングサービスだったら、当たり前の機能なんでしょうが、こういうエントリーを相互に繋げるサービスがあると、アクセス数のロングテールが期待できてありがたいですね。

上記の利点はホスティングサービスを使っている人には当たり前なんでしょうが、今までは主に自分でブログツールを入れていたんで、なかなか新鮮でした。

ノベルゲームの持つ原罪を小説はどう処理したか? そして『ひぐらしのなく頃に 賽殺し編』

ぼくと魔女式アポカリプス水瀬 葉月
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1巻の書評を書いてなかったので、2巻発売を記念して書きます。ライトノベル、特に電撃文庫で積極的にジャンル化が推し進められている「現代学園異能」の集大成のような作品です。

現代学園異能とは

現代学園異能とは、主人公が美少女たちと日々の生活を送る「美少女ゲーム的日常空間」と、主人公の少年が異能の力で戦い、機転を利かせて敵に勝利する「少年マンガ的異能バトル」を組み合わせたジャンルです。TYPE-MOONの制作したノベルゲーム『月姫』『Fate』の影響を色濃く受けている、と言われています。

美少女ゲーム的な日常に生きる主人公の少年は、非日常の世界からある日突然、日常の世界に迷い込んできた少女と出会い、一緒に協力して、非日常の敵と戦います。少年は何らかの欠落を抱えると共に、戦うための力を得ますが、日常を守るために非日常な戦いを繰り返す自分に悩み、日常と非日常のどちらに身を置くか、葛藤するようになります。

個々の作品で細かな違いがありますが、現代学園異能の基本テーマは「日常VS非日常の葛藤」です。より詳細な解説は以下の記事を参照してください。


選択に対する無責任さ

この新しいジャンルの特徴は、主人公が限りなく決断から無責任でいるという事です。主人公は自分の意思で戦いを始めるわけではありません。必ず非日常との戦いに「巻き込まれる」のです。その際、魔術によって生かされてるが、実はすでに死んでいたりします(生殺与奪の権は魔術師に握られていて、少年少女は自分達の意思に関わらず、戦わざるを得ない)。

主人公は巨大な「欠落」を抱え込むと同時に、何らかの特殊な能力を与えられ、戦いに駆り出されます。その戦いはわかりやすい外敵という形ではなく、友人や幼なじみ、兄妹といった主人公の周辺の人物の形を取って現れます。敵は周辺の人物を操作し、寄生し、入れ替わり、人質に取ります。戦いとはつまるところ誰かを殺し、排除することであり、非日常から日常を守る戦いとは、すなわち日常の中の誰かを殺し、排除することです。

けれども主人公の少年が、自分の意思で殺すことを選択するかというと、そんな残酷な行為は自我が認めません。彼にはおそろしく準備万端な自己弁護が与えられます。殺す以外の選択肢がありえない状況に都合よく追い込まれます。それどころか、相手は勝手に自滅していく状態に陥っていて、主人公はむしろ安楽死させてあげるのだ、という作品もあります。そして、誰かを殺さなければならなかった自分がいかに不幸で可哀想か、延々とモノローグを続けたあげく、彼は容赦なく完膚なきまでに相手を殺すのです。

意に沿わない選択を実行させられた可哀想な彼のことを、生き残った美少女たちが慰めてくれます。殺された彼女が生きていたという事実そのものがさかのぼって抹消され、最初からいなかった事になる、という都合のいい能力を少年が与えられている作品もあります。

美少女ゲームの原罪

どうしてここまで、選択に対して無責任なのか?
小説として捉えると、現代学園異能はライトノベルの奇形児のように思えるかもしれません。しかし現代学園異能を美少女ゲームの小説化として捉えると、事情がわかります。

美少女ゲームは複数の可能性(女の子)の中から、プレイヤーが1つを選択するゲームです。けれども選ばれた可能性があるという事は、選ばれなかった可能性もあるのです。選ぶ事で、他の選択肢を切り捨てる事。楽園から他の女の子を追放し、排除する事。美少女ゲームは、プレイヤーにその罪深さを突きつけているジャンルなのです。

あえて罪深さをテーマにしたゲームもあります。『君が望む永遠』などの鬱ゲーと言われる作品群です。鬱ゲーブームのように、選択する憂鬱さをメインにしたゲームが流行った時期もありました。しかし大多数のプレイヤーは、憂鬱になるためにゲームを買うわけではありません。そこで、美少女ゲームでは大抵、極端に優柔不断な主人公か、極端に物分りが良く優しい周囲のどちらかを用意しています。

ゲームの場合は能動的な選択があり、責任はプレイヤーにあります。しかし小説になると、そうはいきません。読者=プレイヤーは何も選択していないからです。誰を選び、誰を切り捨てるか、その罪深さは誰も背負う人がいないのです。そのため<原罪>は隠蔽され、徹底的に自己弁護されます。小説のほうがゲームよりも自己弁護的にならざるを得ません。

主人公の少年の少女達への自己弁護。(主人公視点で物語を進める)読者の少女達への自己弁護。作者の登場人物および読者への自己弁護。三重の自己弁護が行われるのです。

ひぐらしのなく頃に 賽殺し

では選択肢を持たないノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』はどうでしょうか? すべてプレイした方はご承知のとおり、『ひぐらし』の作者である竜騎士07氏はこの問題に非常に自覚的です。

『ひぐらし』は問題編4編、解答編4編から構成され、問題編4編はそれぞれ、「ある選択がなされた場合のひぐらし世界」として進行します。選択肢が与えられないため、最初の4編は必ず惨劇(バッドエンド)にたどり着きます。

解答編はいわば、どうしてバッドエンドになったか? どうすればグッドエンドにたどり着けるのかを解明する物語になるのですが、それはすなわち、主人公たちがかつて選んだ選択肢の罪深さを思い知り、反省するということです。第6編の名前が「罪滅し編」という点は象徴的です。

ノベルゲームは基本的にバッドエンドを避けて、グッドエンドにたどり着く遊びです。名作『かまいたちの夜』では始めに必ずバッドエンドを提示します。何故なら、惨劇(バッドエンド)を避けたいという気持ちが、プレイヤーのモチベーションになり、グッドエンドにたどり着いた時のカタルシスに繋がるからです。

『ひぐらしのなく頃に』は、バッドエンドにたどり着き、それを避けるために努力するというノベルゲームの構造をメタ的に再構築した作品と言っていいでしょう。プレイヤーから選択権を奪うことで、ノベルゲームの抱える<原罪>そのものをテーマにできたのですね。

そして先日、冬コミに合わせて発売されたファンディスク『賽殺し編』では、本編以上に意識的に<原罪>に向かい合っています。収録されている他の2編は、同人的な悪ノリが過ぎて、人を選ぶと思いますが、『賽殺し編』は本編のテーマに対して、優れた補完となっています。本編を完了したプレイヤーの皆さん、「どうせファンディスクだろ」と思わずに、一度プレイしてみることをお勧めします。

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無力さと絶望と生きるということ 『薔薇のマリア』

薔薇のマリア2 壊れそうなきみを胸に抱いて十文字 青
薔薇のマリア3 荒ぶる者どもに吹き荒れろ嵐
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平成のウィザードリィ小説『薔薇のマリア』に続く2巻と3巻。この2冊は話が繋がっているので、いっしょに購入することをお勧めします。

今回は地下迷宮がいっさい出てきません。地下迷宮の上層、リルガミンの街ならぬサンランド無統治王国首都エルデンを舞台に、クラン(侵入者たちの集まり。悪く言えばならず者の集まった組)同士の抗争が物語のメインです。

エルデンでは急成長を続ける史上最悪のクラン「SmC」(加虐的殺戮愛好会)と、第2位の勢力であり正義を守ることを是とする「秩序の番人」の間に緊張感が高まっていました。マリアローズは、秩序の番人に所属する少女ベアトリーチェと出会います。彼女がSmCへの手土産として龍州人のクランに誘拐された事をきっかけに、事態は2大クランの全面対決へと発展。マリアの属する「ZOO」や、マリアに恋するアジアンの「昼飯時」(ランチタイム)も争いの渦中に飛び込んでいきます。巨大な暴力と暴力が激突するなか、マリアとベアトリーチェはどんな生き方を選び取っていくのか。

作者によれば3巻までで一区切りらしく、確かにマリアローズの成長という点で一段階越えた感じがします。これ以上無いほどの無力感と絶望を味わいながら、なお前を向いて生きていく。自分で嫌になるほどのちょっとずつの進歩。わかりやすい答えはどこにもなく、ただ一歩一歩進むだけ。それを描く以外の王道は無いがゆえに、人は物語という形式を生み出して、物語を書き、物語を読むのでしょう。
「ごく一部の例外的な天才を除いて、人は一足飛びには進歩できぬ」
 髭がマリアローズの頭の中を見透かしたようなことを言った。
 もちろん、マリアローズは天才なんかではありえない。だったら、一歩一歩、少しずつ少しずつ進んでゆくしかないのだ。思えば、ZOOに加盟して仲間ができたことだって、マリアローズにとっては進歩だったはずだ。僕は決して止まったままでいるわけじゃない。変わっている。少しずつだけど、ちゃんと変わっている。それが小さな勇気になって、またちょっとだけ進むことができそうな気がする。
「でも、ホントにちょっとだ……」
 自分の歩みの遅さに嫌気がさしながらも、少しだけ笑いがこぼれた。

今回、都市エルデンの様子が描かれ、『薔薇のマリア』の世界がぐっと広がっています。また死者の蘇生シーンのように、この世界の構造について、いくつかのヒントが明かされました。

かつてコンピュータゲームはすべからく仮想世界へのダイブとして、捉えられていました。まだ電脳世界という言葉が死語になっていなかった頃です。SF作家の矢野徹がコンピュータゲームにハマり、『ウィザードリィ日記』という名著を生み出しました。当時のゲームはテキストが少なく、「モンスター配備センター」のようなちょっとした言葉を世界の重要な断片として、誰もが想像をふくらませたのです。

コンピュータゲームはファンタジーであると同時に、SFでもありました。コンピュータゲーム=仮想世界への侵入という構造を、日本のプレイヤーに強烈に意識させ、その後の日本のゲームおよび周辺の物語に強い影響を与えたのは『ウィザードリィ』です。回りまわって『MATRIX』や『.hack』にも影響を与えたはずです。(参考:Wikipedia「ウィザードリィ」

『薔薇のマリア』もまた、言葉の断片から色々と世界を想像できる、ファンタジーであり、SFである小説です。世界の全貌が明かされる日がくるのか。まあそこはプレイヤーの想像にゆだねられつつ、断片だけが提供されていくような気もしますが、コンピュータゲーム=ウィザードリィの伝統に則って。

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ウィザードリィ小説を継ぐライトノベル『薔薇のマリア』

(以前のブログで書いた記事を修正・加筆して、こちらに掲載しておきます。)

薔薇のマリア 1巻 夢追い女王は永遠に眠れ十文字 青
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法無き都市の下にある巨大な地下迷宮。そこに巣食う怪物と眠るお宝。
一攫千金を夢見た無謀な若者が集まり、地下迷宮に降りていく。彼らは侵入者(クラッカー)と呼ばれていた。侵入者の1人、マリアローズは仲間たちと共にパーティを組み、死者の徘徊する迷宮――黄昏の魔導女王レディ・麟霊が眠る喪神街を探索していたが……。

ウィザードリィの世界をライトノベル的に再構築したような作品です。
名作『隣り合わせの灰と青春』を始め、かつてウィザードリィの小説やコミックにハマった人には、まちがいなくオススメの小説。地下迷宮の描写は細部がしっかりしていて、リアリティがあります。ひたすらダンジョンという、下手すると飽きかねない舞台設定も、良いタイミングでハプニングが起こることで、程よく緊張感が続きます。何にもまして、あのゲームを遊んでいるような感覚が再び、本で味わえます。

ウィザードリィと共通するのは、地下迷宮という隔離空間において、人は自分自身の無力さを突きつけられ、この世に生まれ落ちた自分の孤独を実感させられる事です。孤独と無力を知った人間が集まって、徒党(パーティ)を組んでいる。だから仲間を助けたいと思うし、仲間は自分を助けたいと思う。

無力で孤独な人間がどう生きていくのか。安易にその結論が語られることはありません。ただ彼らの生き様が描かれるのみ。1巻では、主人公のマリアローズ(女性に見えますが男)と、何度も死んで蘇生を繰り返す死にマニアのカタリの二人に、焦点が当たります。

2巻以降は地下迷宮の冒険ではないため、21世紀のウィザードリィ小説を求める人は、とりあえず1巻だけでも読んでみたらいかがでしょう。

参考
以前のブログに記事を掲載したとき、コメント欄で教えていただいた情報。

現代を舞台にした、ウィザードリィをオマージュした小説
「和風ウィザードリー純情派」

ウィザードリィ外伝2のノベライズ(未完)を内部に取り込んだ小説
『アラビアの夜の種族』(古川日出男



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据置ゲーム機の分裂

SF作家の考えるテレビとゲーム機の未来

けっこう面白い記事な割りに、ネットであんまり言及されてないなあと思ったので、リンクを張っておきます。
起動画面が変えるものと、変えないもの
SF作家の桜坂洋氏のCNetにおける連載記事。ソフトを入れたらゲームが立ち上がるぐらいだったゲーム機のOSが強化されて、DS以降、標準で起動画面からアプリケーションを立ち上げられるようになりましたが、その変化について文化的、未来的な考察をしておられます。

リビングにあるデバイスでは集団(家族)で見るコンテンツをみんなで楽しみ、個人が持つデバイスでは個人で見るコンテンツを楽しむ。きわめて明快な展望です。

次世代機関連ではゲーム業界人よりも、デジタル家電の中の人やSF作家な人のように、ゲームの外の人のほうが面白い考察をしている印象。業界人やゲーマーだとどうしても、シェア争いとか、PCゲーム待望論とか、雑念が入ってしまうからでしょうね。

桜坂洋氏の代表的な著作はこちら。後日、書評を書く予定。
All you need is kill
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よくわかる現代魔法
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本当は「禿同」と書いて、ここで終わってもいいんですが、それだとあんまりなので、ボクがどう考えているかも書いておきます。


据置ゲーム機は分裂する

据置ゲーム機の役割は大きく2つあって、1つはテレビの前に集まってみんなで遊ぶツール、もう1つは1人用ゲーム機。で、この需要が分裂しているのが現状。

前者はリビングのテレビに繋がり、小さくて邪魔にならず、家族みんなで共有され、大画面テレビの普及に貢献する機械。後者は個人のモニターやテレビに繋がり、独身ゲーマーが1人で遊ぶのに最適化された機械。前者の筆頭がWii。後者の代表がPS3でしょう。

Wiiは大量のTVCMの影響もあって、リビングで遊ぶ、家族や友達といっしょに遊ぶゲーム機としての認知度は断トツです。グラフィックスを重視するユーザーの多い北米でも、ホームパーティの需要に乗っかったか、好調な滑り出し。どの地域でも、追加のリモコンがかなりの装着率になっているはずです。
Videogame Charts
11月に米国で最も売れた周辺機器はWiiリモコン (本体47万台に対してリモコン27万個)

逆に、1人用ゲーム機としての認知度は弱く、欧米とは異なり、1人用ゲームのキラータイトルを投入できなかった日本国内でその傾向が顕著です。かつてキラータイトルだった『ゼルダ』や1人用ゲームというイメージが強い『メイドインワリオ』など、任天堂のローンチソフトの売上にもハッキリ現れています。評価の高いコナミの『エレビッツ』は3月発売でも良かったかもしれませんね。まぁそもそも1人用ゲームを遊びたくてWiiを買う人がどれだけいるのか、疑問ですが。

牽引力のある1人用ゲームが見当たらないのがWiiの死角でしょうか。『剣神ドラゴンクエスト』以外、めぼしいタイトルはありませんしね。またオンライン対戦の立ち上がりが遅く、独身層のゲーマーを惹きつける魅力がまだ弱いです。パーティゲーム機としてのアイデンティティーは明確なものの、その需要だけでどこまで行けるか。200万台までは早いでしょうが、その先に行くには、新しい需要を取り込む必要がありそうです。

一方、PS3とXBOX360はラインナップが1人用ゲーム中心。ローンチ時点でオンライン対戦が可能なタイトルが揃っていますし、独身層のゲーマー向けのゲーム機と言えます。PS3は高いのがネックですが、あの価格とラインナップでもPSPと同程度の滑り出しです。

ゲーマー層を喜ばせるタイトルが揃ってくることで、1人用ゲーム機として評価を高めて、ゲーマー層に浸透していくと思われます。コアゲーマーの大半は次世代機を様子見してますから、彼らが買いやすいタイミングを作って、うまく背中を押してあげることが重要でしょう。

以上のように据置ゲーム機は、大きく2つの需要に分化しつつあります。さらに1人用ゲーム機としての需要は、PCも競争相手になっています。また、さほど画質を求めないユーザーにとっては、携帯ゲーム機で十分でしょう。ハイエンド志向のユーザーはPS3、XBOX360、PCに行き、ローエンド志向のユーザーは携帯ゲーム機に行きます。
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複数の専用機の時代へ
以前も書きましたが、これからはユーザーの嗜好やライフスタイルに合わせて、異なる複数の専用機を使い分けていく時代になると思います。

1台の機械で色んな事をやろうとすると、操作感や大きさなど、インターフェイスを犠牲にせざるを得なくなり、使い勝手が落ちていきます。プロセッサの性能が必要十分になってくると、プロセッサの性能や機能ではなく、箱の大きさと形で住み分けるようになるんですね。

だから例えば、携帯ゲーム機は携帯電話に吸収されるとか、据置ゲーム機はPCに吸収されるという単純な意見には、賛同しません。10年以上かけても、結局リビングにPCは入り込めませんでした。テレビパソコンにしても生活空間が狭い独身層に少し売れただけです。そういう意味では、家族みんなで遊ぶゲーム機が、PCに吸収されるとは到底思えません。

一方で、独身層なら、ゲーム機はPCに吸収された方がありがたい。テレビパソコンもこの層には需要がありました。ゲーマーの中には、ゲーム機をPCのモニターに接続している人もいますからね。MMORPGなんかは個人ベースで、個人が繋がっていく遊びなんで、PCでもゲーム機でもどっちでもいいんです。
(日本では、会社のPCでWebを見て、家ではケータイしか使わない層が増えているという話もよく聞くので、将来的にPCがどれだけゲーム機として伸びていくかは、ちと不透明ですが。)

ゲーム機でゲームを遊ぶ人もいれば、PCで遊ぶ人もいて、大きさは異なれども、市場が発生するという流れでしょう。つまり本当の意味でマルチプラットフォームの時代になるわけで、これから10年ぐらいは続くと思います。

今まで多くのゲーム会社はゲーム機に偏りすぎていたので、現在はプラットフォームの幅を広げようとしている段階。DSブームに目が奪われがちですが、ソフトメーカーの動きとしては、据置から携帯に移行したというだけで、全体としては脱ゲーム機路線が進んでいます。

実際、携帯電話ゲームの市場の相変わらずの成長や、モバゲーの台頭など、ゲームプラットフォームとしての携帯電話は着実に力を増しています。

テーマ:ゲーム - ジャンル:ゲーム

タグ:桜坂洋  据置ゲーム  携帯ゲーム  

スピンアウト物って地味に増えてるかな

オリコンスタイル:スピンアウト企画で見てみたい、『デスノート』のL(エル)が主役の作品
最近、スピンアウト物って地味に増えてます?
一粒で二度三度おいしく食べたい供給側の都合からすれば、スピンアウト企画は大いにありですよね。完全な新作をつくるよりリスクは少ないですし、本流の人気を維持する効果も見込めますから。

Lが主人公の漫画でもアニメでもありませんが、小説なら存在します。

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件西尾維新
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キラが現れる前の世界的な名探偵Lを描いたミステリです。南空ナオミとLの出会った事件をメロが語ります。Lは過去にいくつもの難事件を解決しているんで、エピソードには困りませんね。

ただ、この本は西尾維新の初めてのノベライズ作品ということで、『DEATH NOTE』ファンよりもむしろ西尾ファンのほうが盛り上がった気がします。西尾維新はキャラ同士の掛け合いが恐ろしく巧い作家で、Lと南空ナオミの会話は笑って読めます。かと言って、原作の設定を大幅に逸脱するような事もなく、キャラの幅を広げつつも、原作の範囲に着地させています。

1冊の独立したミステリとしてきちんと楽しめる出来で、『戯言』シリーズは1巻と2巻が好きだったけど、それ以降はちょっと……と離れていった人にオススメしたい。逆に『化物語』や『戯言』シリーズ後半の会話の暴走が好きという人には向かないかもしれません。西尾維新がすごいのは、どちらの小説も書けちゃうトコですね。

脇役を活躍させる作品というと、『ToHeart2 Another Days』(アクアプラス)が発表済みです。『Another Days』は『ToHeart2 XRATED』に登場したサブキャラクター(とメインのうち、このみと環)が主役になる作品。美少女ゲームにおいて、メインヒロインとサブの立場を入れ替えて続編を作るというアイデアは面白いです。(参考:Wikipedia「To Heart 2」

同じやり方で続編を連発しても、作品の寿命を縮めるだけですからね。コンシューマーでも『FF7 ダージュ・オブ・ケルベロス』がスピンアウト作品と言えます。ゲームの出来が悪かったのがもったいない……。

歴史が長いシリーズになると、やはり派生作品が増えてくるので、スピンアウト物も出てきますね。ドラクエにおける『トルネコ』や、マリオシリーズにおけるワリオとか。

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:西尾維新  

ゲーム小説のお手本かも 『神様ゲーム』

神様ゲーム カミハダレニイノルベキ宮崎柊羽
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ある日突然神様は言いました、「さあ、ゲームを始めよう!!」と。1ヶ月以内に人間になりすました神様を見つけ出さないと、地球は崩壊することに。しかし神様が隠れた場所は、願いを叶える土地神「かのう様」の支配する土地でした。神様の土地で神様とゲーム。はたして創造主を見つける事ができるのでしょうか。

年末年始に読み始めたシリーズ。スニーカー文庫ではそこそこ推している作品だと思います。タイトルの通り、神様やそれに近い相手とゲームで勝負するお話です。1巻が人間の中に紛れ込んだ創造主を探すかくれんぼ。2巻が人類の進化と退化を司る双子のキララとマイカとの○×ゲーム。3巻、4巻は趣を変えて、「かのう様」を盗み出そうとする謎の集団”黒猫”との対決で、和家の屋敷の中でゲーム勝負。

神様ゲームとは別に、土地神であるかのう様とのゲームもあり、願いの種が蒔かれた人の願いをかなえ、胸に咲いた花を摘み取らなければいけないのです。1巻あたりだいたい3人、願いの種を蒔かれた人物が登場して、1人ずつ問題を解決していく構成のため、長編というより連作短編を読んでいる感覚です。1つ1つクエストをこなしていく感じがいかにも”ゲーム小説”っぽいかな。

4巻が折り返し点らしく、かのう様の秘密の一端が明かされますが、むしろ謎は深まるばかりですね。かのう様がどうして願いをかなえて綺石を集めているのか、神様ゲームの本当の意味がわかるまで、秋庭多加良と読者が振り回される日々は続きそうです。

関連
『神様ゲーム5 カミハナミダヲサガスベキ?』

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:スニーカー  神様ゲーム  宮崎柊羽  

走る青春小説『空色ヒッチハイカー』

空色ヒッチハイカー橋本 紡
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憧れてきたお兄ちゃんがある日いなくなってしまった。お兄ちゃんの背中を追いかけてきた僕は、誰の背中を追いかけたらいいんだろう。18歳の夏休み、お兄ちゃんの残したキャデラックに乗って、住み慣れた街を出発。免許? お兄ちゃんのがある。面影が似てるからたぶん大丈夫。ヒッチハイカーを拾っていこう。まず隣にはミニスカートにタンクトップの謎の女の子、杏子ちゃん。そして、次から次へ、いろんな人を乗せて走り続ける。西へ、西へ。

脱ライトノベルの先端をいく橋本紡の一般小説も3冊目。橋本紡の一般小説作品で、男が主人公の作品は初めて。『流れ星が消えないうちに』と『ひかりをすくう』は共に、大人の女性が主人公の作品で、心の傷をいやすような物語でした。電撃文庫から出版されている脱ライトノベル作品である『毛布おばけと金曜日の階段』『猫泥棒と木曜日のキッチン』でも、主人公はちょっと変わった高校生の女の子でした。

18歳の少年が主人公の今作は、軽快で、明るく、無軌道で酔狂な物語。同じく少年視点のライトノベル『半分の月がのぼる空』に近い感覚で読めるので、これまで橋本紡の一般小説に手を出してこなかった人にもオススメできます。男の子って大変だよね、でもきっと幸せはすぐ隣にいるんだよ、逃がしちゃ駄目だよ。という点で、まっとうな青春小説です。

ライトノベル的なケレン味は無いものの、たまには化学調味料の薄い天然素材の青春小説を読んでみるのもいいんじゃないでしょうか。人生とはなんとショボく、下らない意地の積み重ねで、たいしたことは起きない。そして自分にとってすごくすごく特別な物語なのだと。
「ねえ、どうしてそんなに真剣なのよ?」
「賭けたんだ」
「なにを?」
「人生を」
「馬鹿じゃないの! 祭りの余興よ!」
「わかってる」
「本気なの?」
「本気だよ」

「まあ、そんなものかもね。人の――」
「なんて言ったんだよ」
「イチゴをぷって飛ばして、下らない意地を張って、それで人生決めてきなさい。とにかく、男と男の勝負なのよ。負けちゃ駄目よ。気合いよ、気合い」

テーマ:ライトノベル - ジャンル:小説・文学

タグ:橋本紡  

PC版を遊んだ人にもオススメできる完成度 『夜明け前より瑠璃色な』

夜明け前より瑠璃色な(ARIA)

人気絵師べっかんこうの描くキャラクターと、温かみのあるシナリオで安定した人気を誇るオーガストの新作のPS2版。PC版は2005年に発売され、7万本のセールスを記録しています(PC美少女ゲームの年間売上ランキングで3位)。

未プレイの人はもちろん、PC版をプレイした人にもオススメできる納得の完成度。オーガストの作品はこれまで他社が移植してきましたが、『夜明け前より瑠璃色な』からは自社で移植。別ブランドのARIAから発売しています。PC版の開発元が制作しただけあって、非常に丁寧な作りです。脱帽!

■星をまたいだ大恋愛を真っ向から描いた作品

Wikipedia「夜明け前より瑠璃色な」

舞台は一見、現代の日本と変わりないようですが、実は地球と月の間で星間戦争が勃発して、文明が後退したあとの世界です。王政を敷く月と地球の関係は平和なものの、月と地球の行き来は月の王家が所有する星間船でのみ可能という状態。積極的な交流は絶えていて、冷たい関係が続いていました。

月と地球には、過去の文明の遺産(ロストテクノロジー)が残っているものの、現在の科学技術では使用はできても、解析や再生産は不可能です。月のロストテクノロジーは、かつての戦争を引き起こさないため、月の教団によって厳重に管理されています。

そんな時代背景のもと、月への玄関となっている満弦ヶ崎中央連絡港市に住む朝霧家に、月の王女フィーナがホームステイするところから物語が始まります。

フィーナは気品、優しさ、意志の強さを兼ね備え、まさしく将来、名君になること間違いなしのお姫様。彼女が地球に留学に来た理由も、地球の文化をよく知って、亡き母のように地球と月の交流を促進させようと考えたからです。

一般の月人が地球人を嫌っている状況ですから、彼女と結ばれるのは当然、生半可なことではありません。そもそも月と地球の星間戦争から数百年、月人と地球人の間で結婚は行われていないのです。達哉とフィーナの星をまたいだ大恋愛は、障害が多く、険しい道のりです。

今作はメインヒロインがハッキリしているのも特徴で、1周目はフィーナ以外のヒロインと結ばれる事は絶対にありません。

  フィーナルート
   ↓
  ミア、麻衣、さやか、菜月、翠、エステルルート
   ↓
  リースルート
   ↓
  夜明け前より瑠璃色な(フィーナEND後)

全ヒロインを攻略した後、フィーナEND後の物語が始まります。フィーナは前女王である母親から託された想いを叶えるため、達哉といっしょに行動を開始するのですが、そこに月の王家と教団の思惑が絡んできて……2人は窮地に陥ります。しかしこの冒険を経て、達哉とフィーナはいっそう絆を強くし、月と地球の歴史に新しい1ページを刻む事になります。

美少女ゲームには複数人のヒロインが登場しますが、やはりメインヒロインは存在します。大抵は、開始時点で主人公と最も親しい関係にある少女(幼なじみが多い)ですね。とはいえ、立場上メインヒロインは、他のヒロインと同列で扱われる事が多く、誰を攻略するかをここまで縛るゲームはかなり珍しいです。

他のヒロインのシナリオでさえ、最終エピソード「夜明け前より瑠璃色な」に収束するためのキャラの掘り下げに過ぎなかった、と言えます。実質メインルートが1本なので、極めてアニメ化しやすい作品のはずなのですが、アニメ版はとんでもない出来になってしまいました……。


■PS2版で追加されたキャラクターも絶妙!

PS2版では、PC版で脇役だったクラスメイトの遠山翠が攻略可能になり、月の教団の司祭であるエステル・フリージアが追加されています。特にエステルの追加は、物語をよりいっそう深める効果をもたらしました。

全体におっとりした性格のヒロインが多いオーガスト作品の中で、エステルは珍しくツンデレ。彼女は教団のエリートを目指してずっと勉強に明け暮れていた堅物のうえ、大多数の月人と同じく地球人を嫌ってます。

月人であるフィーナとミアが親地球派だったため、PC版では月と地球の冷たい関係の演出が弱かったと思います。達哉は「普通の月人は地球人を嫌ってる」という事実を突きつけられてショックを受けるものの、そこで月と地球の関係について深く考える機会を持ちます。月人と地球人のお互いの偏見を埋めていこうと、まずは身近なエステルに積極的にアプローチする達哉の行動は、やがて彼女の頑なな心を動かし、ついに2人で協力して、とあるイベントを実現します。

エステルルートはフィーナルートの対になるシナリオとして、世界観を深く掘り下げています。月を支える王家と教団。教団の側を描くことで、月人の社会を完全に描けるのです。またゲーム中で明かされる通り、エステルの存在自体が月人と地球人にとって、ある重要な意味を持つのです。

『夜明け前より瑠璃色な』という物語は、エステルルートを得て、初めて完成したと言っても過言ではありません。コンシューマ版での追加キャラやシナリオは、しょせん追加というレベルに留まる事も多いのですが、今作はPC版をプレイした人にもオススメできる内容です。ちなみにもう1人の追加ルート、遠山翠シナリオも完成度が高く、ぶっちゃけ菜月シナリオより出来がいいと思います。

テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム

タグ:夜明け前より瑠璃色な  オーガスト  べっかんこう  

2006年雑感 ライトノベル編

あけましておめでとうございます。
2007年になってしまいましたが、2006年を振り返りたいと思います。

いわゆるライトノベルブームはピークを過ぎていると思いますが、『ハルヒ』の大ヒットもあって、ライトノベルのアニメ化企画は勢いづいたんじゃないでしょうか。2007年もライトノベル原作のアニメはいくつも登場しそうです。

(ボクの場合、人生でゲーム離れした時期はあっても、本離れした時期は無いので、ブームがあろうと無かろうと、あんまり関係はありませんが。)


■見事なフィナーレを飾った2006年最高の作品

2006年の最高傑作といえば、間違いなくこれでしょう。

銀盤カレイドスコープ海原 零
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女子フィギュアスケートを題材にした『銀盤カレイドスコープ』がついに完結。人気がある限りダラダラと続いて、終わった頃には人気が無くなっている……というケースが多く、きちんと終われる作品が少ないご時世、ここまで高い完成度を誇る最終巻はなかなか無いでしょう。

オリンピックの舞台で世界的なスケーターとなってから4年、タズサはついに不敗の天才スケーター、女帝リア・ガーネット・ジュイティエフに宣戦布告します。タズサが天才なら、リアは神に愛でられた天才。

リアを猪熊柔とするなら、タズサは『YAWARA』における本阿弥さやかやジュディ、テレシコワ。凡人が天才に勝つには天才を上回る努力と運が必要。努力だけで勝てるような相手を天才とは言いません。しかし天才は、その運さえも軽々と超えていきます。

絶望的な実力差。そして女帝のプレッシャー。かつてない重圧と戦いながら、桜野タズサはオリンピックにて、女帝リアとついに対決します。はたして桜野タズサはリアに勝つことができるのか!
その後の展開は、予想を超えたものに。いや、まさか、こんな事になるとはなあ……。


■収穫の多かったスニーカー文庫

そろそろ電撃にも飽きてきた……というわけではありませんが、振り返ってみると、2006年はスニーカー文庫に手を出すことが多かった気がします。『ハルヒ』効果という訳でもないんですが。

されど罪人は竜と踊る浅井 ラボ
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化学式を組み込んだ独特の魔術理論や、濃度の濃いバトル、独自の世界観など、魅力は多いのですが、それ以前にこのシリーズは「ライトノベル界随一の鬱小説」です。ライトノベルに萌えを求める人にはまったく向きません。

仲が悪そうで、しっかり結びついたガユスとギギナのコンビ、二人の将来の危うさを誤魔化しながら、揺れ続けるガユスとジヴの大人の恋人関係。主人公は心に挫折感を抱いていますし、事実、許されない失敗をおかした過去を持っています。

全体にビターな味わいです。ハードボイルド・ファンタジーという表現が近いかな。多くのライトノベルが中高生向けとするなら、これは大学生~社会人向けという感じです。

お・り・が・み林トモアキ
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デビュー作の『ばいおれんす☆まじかる!』が途中で打ち切りになってしまって、追いかけるのをやめていたんですが、今年ついに再会しました!

非常に勢いのある小説で、とりあえず3巻まで一気に読んだほうがいいです。1巻だけだと、伏線が多いだけのメイド少女アクションに思えますが、二転三転して先が読めなくなるあたりから面白くなるので! 巻を追うごとに面白くなる、逆に言うと、何冊か読まないと面白くなってこないという事ですが、その障壁を乗り越えるだけの価値がありますよ!

戦闘城塞マスラヲ林トモアキ
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『お・り・が・み』の続編。
負け犬ひっきーと、電子ウイルスのコンビが、人生の逆転をめざして、世界を律する聖魔王の権利を賭けた武闘大会に出場します。『お・り・が・み』では借金のカタに内蔵を売られそうになっていた少女が主人公でしたが、『マスラヲ』もかなりどん底からのスタートです。

先の読めない展開はますますエスカレートっ!! 『マスラヲ』が面白くて、『お・り・が・み』を読み出した人もかなりいるみたいですし、まずはここから入るのもありですね。

『神様ゲーム』と『薔薇のマリア』は共にスニーカー文庫でプッシュされている作品。『神様ゲーム』は名前の通り、神様とゲームするユニークな設定の作品で、『薔薇のマリア』は1巻に関しては、ウィザードリィ小説を思わせる内容です。

神様ゲーム宮崎柊羽
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ある日突然神様は言いました、「さあ、ゲームを始めよう!!」と。1ヶ月以内に人間になりすました神様を見つけ出さないと、地球は崩壊することに。しかし神様が隠れた場所は、願いを叶える土地神「かのう様」の支配する土地でした。神様の土地で神様とゲーム。はたして創造主を見つける事ができるのでしょうか。

薔薇のマリア十文字青
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1巻に関しては、ウィザードリィ小説をライトノベル的に再構築した作品です。本格的に物語が動き出すのは2巻以降ですが、ウィザードリィっぽさを求める人はとりあえず1巻だけ読んでみればいいかと思います。


■安定した人気の電撃文庫

『禁書目録』に手を出した以外は、さほど大きな注目作も無かった気がします。電撃文庫は、いわゆる現代学園異能モノを積極的に展開しています。今後ジャンルとして定着していくかどうかが気になる所です。個人的にはちと食傷ぎみかな。

とある魔術の禁書目録鎌池 和馬
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電撃文庫とガンガンのコラボレーションが始まり、今後のメディアミックスが期待されます。今年読み始めたシリーズの中で、問答無用一言一句の文句無しに一番燃えた作品。魔術勢力(魔術師)と科学勢力(超能力者)が対立している世界というのがユニークな設定です。

魔術サイド中心の巻と科学サイド中心の巻がありますが、科学サイドの話のほうが断然面白いですね。腹ぺこシスターのインデックスと、ツンデレびりびり中学生の御坂美琴では、美琴のほうが人気ありそうです。

面白いのは一方通行(アクセラレータ)や1万人の妹達(シスターズ)、打ち止め(ラストオーダー)が登場する3巻、5巻、8巻です。とりあえず1巻と2巻はさらっと読んで、3巻に突撃してみて、続きを読むかどうか決めたらどうでしょうか。

狼と香辛料支倉 凍砂
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電撃小説大賞の銀賞を受賞し、新人作家の作品の中では、最も人気が高いシリーズ! 狼神ホロと行商人ロレンスの二人旅。ある銀貨が値上がりするという噂を聞きつけたロレンスは、そのもうけ話に乗るのですが……。

中世を舞台にしたファンタジーに見せかけながら、中身は経済小説という点が斬新でした。したたかな商人同士の駆け引きや、教会の勢力が増していき、人が伝説と決別しつつある中世の世界観もしっかり描けています。しかし一番の魅力は自分のことを「わっち」としゃべる賢狼ホロです。

テーマ:ライトノベル感想 - ジャンル:小説・文学

タグ:ライトノベル  富士見ミステリ  スニーカー  電撃文庫  

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